2007 Fiscal Year Annual Research Report
新規な非線形分光計測による新しい界面分子科学の開拓
Project/Area Number |
19205005
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
田原 太平 The Institute of Physical and Chemical Research, 田原分子分光研究室, 主任研究員 (60217164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 祥一 独立行政法人理化学研究所, 田原分子分光研究室, 専任研究員 (60250239)
石井 邦彦 独立行政法人理化学研究所, 田原分子分光研究室, 研究員 (80391853)
渡邉 秀和 独立行政法人理化学研究所, 田原分子分光研究室, 協力研究員 (80301787)
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Keywords | 非線形分光 / 界面 / フェムト秒 / 超高速分光 / ラマン分光 / 電子スペクトル / 水素結合 / 先端分光計測 |
Research Abstract |
電子和周波発生(ESFG)分光法を用いて、気液界面のクマリン分子の電子スペクトル測定を行った。気液界面のクマリンのESFGスペクトルは、水と空気の中間的な極性を示すピーク波長を示したが、精密なESFGスペクトルによって初めて可能となった界面の極性指標値E_T^Nの詳細な見積もりを5つのクマリン誘導体について行ったところ、気液界面は単純に水と空気の平均の極性(E_T^N=0.5)を示すのではなく、クマリンの分子構造の違いを反映してE_T^N=0.12〜0.64の幅広い値を示すことがわかった。これは、分子によって同じ空気-水界面でも実効的に異なる極性を感じていることを示す。 ESFG法とポンプープローブ法を組み合わせることによって、液体界面の超高速ダイナミクスを研究するための新しい手法、時間分解ESFG(TR-ESFG)法を開発した。これを用いて、空気/水の界面にある色素分子(ローダミン800)のフェムト秒光化学/物理ダイナミクスを調べた。 表面・界面の新しい振動スペクトル測定法として,ヘテロダイン検出の四次非線形ラマン(X^<(4)>Raman)分光法を開発した。これを用いて空気/水界面および石英ガラス/水界面のローダミン800(R800)色素のX^<(4)>Ramanスペクトルを測定した。100-2800cm^<-1>の広い波数範囲にわたって質の高い振動スペクトルを得ることが出来た。X^<(4)>Ramanスペクトルを様々な環境下のバルクのラマンスペクトルと比較した結果,界面のR800のニトリル基は1ないし2個の水分子に囲まれ,バルクでは見られないパイ型水素結合を形成していることが分かった。
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Research Products
(27 results)