2007 Fiscal Year Annual Research Report
パラジウム、白金平面四核錯体をべースとする遷移金属多核錯体の構築と二次元機能制御
Project/Area Number |
19205008
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小坂田 耕太郎 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 教授 (00152455)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田邊 真 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (80376962)
須崎 裕司 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教 (70436707)
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Keywords | パラジウム / 白金 / クラスター / 有機ケイ素配位子 |
Research Abstract |
19年度の研究では、Pd4Si3型の平面四核錯体の合成を、二核シリルパラジウム錯体と0価パラジウム錯体を原料に用いることによって、温和な条件下高い収率でおこなうことに成功した。この反応は、原料錯体の量に対応して収率が顕著に変化し、生成物が熱力学支配によって得られることが明らかになった。類似のゲルマニウムパラジウム錯体を用いた反応においては、ジゲルメンが架橋配位した二核中間体を経由して生成物が得られることが明らかになった。すなわち、平面四核錯体の生成反応は、単核および二核錯体の量論的な反応が逐次進行することによって、生成物を与えることが明らかになった。これらの生成物および中間体化合物については単結晶X線構造解析を用いる結合パラメーターの決定、およびNMRによる配位リン、ケイ素、白金核間の結合定数などを既知のデータと比較し、定量的な解析による結合次数の解釈などをおこなった。その結果、平面内の四つの金属はいずれも0価、d^<10>の電子配置を有し、これが中性のシリレンによって橋かけしていることが明らかになった。20年度以降のより複雑な構造を有する多核錯体の合成と構造解析にむけて、新しい合成法の策定を行なった。銅一価および銀一価のd^<10>電子配置金属錯体を1つの原料として、異種金属混合錯体の合成を試みた。これらの陽イオン性金属種が付加した新しい錯体が生成し、これを還元することによって、平面上の錯体の生成が一部にみとめられた。
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