2008 Fiscal Year Annual Research Report
水溶性ニッケルールテニウム複核錯体を触媒とする水中窒素固定法の開発
Project/Area Number |
19205009
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小江 誠司 Kyushu University, 未来化学創造センター, 教授 (60290904)
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Keywords | 水中 / 水素 / 窒素 / 錯体 / 触媒 |
Research Abstract |
ニトロゲナーゼによる窒素固定の反応は、十分に窒素がある条件でも常に水素発生を伴う。そのため、研究の初期にはニトロゲナーゼはヒドロゲナーゼの一種であると考えられていた。しかし、ニトロゲナーゼの触媒反応における水素発生の理由については、現在でも依然として明らかになっていない。本研究ではニトロゲナーゼの触媒反応における水素発生をヒドロゲナーゼの行う水素分子の活性化に当てはめた。本年度は、「水溶性ニッケル・ルテニウムアクア錯体を触媒として水中・常温・常圧という極めて温和な条件下で、錯体の水配位子を水素分子と置換させることで、高効率でプロトンとヒドリドイオンに開裂させ、水素からの触媒的な電子抽出」に成功した(Chem. Lett.2008,37,970-971)。さらに、反応で生成する低原子価錯体等の中間体を単離し構造を決定することにより、水中での触媒の関与した水素分子の活性化機構を解明した(Dalton Trans.2008,4747-4755)。本研究成果は、今後の「ニトロゲナーゼの触媒反応における水素発生のメカニズム解明」に寄与すると期待できる。本研究成果は、平成20年8月5日にプレスリリースし(場所:九州大学伊都キャンパス、説明者:小江誠司)、英国王立化学会Chemical Scienceと日本化学会のホームページで紹介され、毎日新聞、日経新聞、西日本新聞、読売新聞に掲載された。また、英国王立化学会Dalton TransactionsのHot ArticlesおよびTop10Most-Accessed Articlesに選ばれた。
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