2007 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチップ内単一ピコリットル微粒子に基づく新規超高感度分析
Project/Area Number |
19205010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
喜多村 昇 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (50134838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石坂 昌司 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (80311520)
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Keywords | 単一微粒子 / 高感度分析 / レーザー捕捉 / レーザー発振 / マイクロチップ |
Research Abstract |
単一微粒子のレーザー発振: 顕微鏡下においてローダミン色素を含浸させた単一ポリメクリル酸メチル微粒子のレーザー発振に成功するとともに、そのレーザー発振スペクトルの理論的解析を行った。その結果、レーザー発振の特徴は微粒子周囲の媒体(大気・溶液)やガス雰囲気に依存することを明らかにした。すなわち、鋭い線状のピークとして観測される発振スペクトルのピーク間隔や形状は微粒子周囲の屈折率変化に極めて鋭敏であり、微粒子のレーザー発振挙動を微小空間における分析化学プローブとして利用可能であることを明らかにした。次年度以降、この系をマイクロ流路系へ展開することにより、所期の目的を達成する。 レーザー誘起単一液滴形成・捕捉・計測: 顕微鏡下における1-ブタノール水溶液への1064nm集光赤外レーザー光の照射により、溶液系にピコリットルレベルの体積の単一ブタノール油滴を形成させ、これを同時にレーザー捕捉・計測(蛍光・ラマン)可能であることを示した。また、色素などの溶質が共存する場合には、レーザー誘起液滴形成と同時に、溶液相から単一液滴に効率の良い色素の液/液分配が起こることを液滴の顕微分光から明らかにした。さらに、この系をマイクロ流路系に展開した。任意の流速で試料溶液をマイクロ流路に導入し、赤外レーザー光のオン・オフに伴う液滴形成および色素抽出過程を詳細に検討した。その結果、マイクロ流路中においてレーザー液滴形成・抽出・顕微計測を連続的かつ再現性良く行うことができることを示した。さらに、このような実験を通して、連続的な単一油滴形成を行うための諸条件(流速、レーザー光強度など)を最適化するとともに、単一油滴系における液/液抽出のダイナミクスを追跡可能であることを明らかにした。
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