2009 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロチップ内単一ピコリットル微粒子に基づく新規超高感度分析
Project/Area Number |
19205010
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
喜多村 昇 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授 (50134838)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石坂 昌司 北海道大学, 大学院・理学研究院, 助教 (80311520)
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Keywords | 単一微粒子 / 高感度分析 / レーザー捕捉 / レーザー発振 / マイクロチップ |
Research Abstract |
マイクロ流路中におけるレーザー誘起単一油滴形成・捕捉・顕微分光の分析化学的応用について大きな進展を得た。トリエチルアミン水溶液や1-ブタノール(BuOH)水溶液に1064nmの近赤外レーザー光を顕微鏡下で照射すると、水溶液の光熱変換を通した熱相分離によりレーザー光の焦点位置に単一油滴が形成され、同時にこれをレーザー捕捉・顕微分光を行うことが出来ることを報告している。本年度においては、この現象をキャピラリー電気泳動法と組み合わせた新たな計測法を開発した。キャピラリー中にBuOHの緩衝溶液を満たし、蛍光色素であるローダミンB(RhB)をインジェクションして電圧11KVで電気泳動を行い、RhBをゾーン分離する。電気泳動により検出部位にRhBゾーンが到達した時点で、1064nmレーザー光を照射することにより、単一BuOH油滴を形成させると、RhBは緩衝溶液中から油滴に抽出される。この方法に基づき、RhBの検出限界を見積もった結果、油滴を形成しない場合には約10^<-11>mol/dm^3、油滴形成時には約10^<-18>mol/dm^3となり、油滴形成により検出限界が飛躍的に向上することを明らかにした。キャピラリー電気泳動の検出法として蛍光法が多用されているが、一般的に電気泳動のための緩衝溶液中においては分子の蛍光量子収率は低い。単一のピコリットル油滴に溶質を抽出し、これを顕微計測することにより蛍光量子収率の増大と抽出・濃縮を行うことができ、検出感度の飛躍的向上を達成できる方法論を明らかにする事ができた。
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