2010 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ秩序構造を有する液晶を活用する高機能イオン輸送材料の開発
Project/Area Number |
19205017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 隆史 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (70214377)
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Keywords | 液晶 / 自己組織化 / ナノ相分離 / イオン液体 / イオン輸送 / 刺激応答 / 分子認識 / ナノ構造 |
Research Abstract |
本研究では、液晶のナノ相分離構造を活用した高機能イオン輸送材料を構築することを目的とした。 三次元的に連結したナノイオンチャンネル構造を有する双連続キュービック液晶性イオン輸送材料の構築を日指し、アンモニウム塩やホスホニウム塩部位を有する扇状分子を設計合成した。室温で双連続キュービック液晶相を発現するイオン性分子の開発に成功した。シンクロトロン放射X線を利用して、液晶ナノ相分離構造を解析した。双連続キュービック液晶相における三次元イオンチャンネルの形成およびチャネル内部でのアニオンの位置を明らかにした。また、双連続キュービック構造をマクロに配向制御しなくても効率的にイオンを輸送できることを実証した。また、超分子的な相互作用を利用して双連続キュービック液晶性イオン輸送材料を構築することにも成功した。イミダゾリウム型イオン液体とジエタノールアミン骨格を有するメソゲン分子からなる複合体は、両者の複合化比率を変えることにより、層状構造・カラム状構造・双連続キュービック構造などの多様なナノ相分離液晶構造を発現し、イオン伝導体として機能することが分かった。 マルチカラー発光するイオン性液品材料の開発も行なった。4-フェニルピリジニウム基などを有するトリポッド構造を有する分子が、カラムナー液晶性を発現し、分子内電荷移動により液晶状態で効率良く発光する現象を見出した。
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