2007 Fiscal Year Annual Research Report
環状チアジルラジカルおよび関連物質の半導体特性とその展開
Project/Area Number |
19205018
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
阿波賀 邦夫 Nagoya University, 物質科学国際研究センター, 教授 (10202772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 裕 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10260374)
藤田 渉 首都大学東京, 大学院・理工学研究科, 准教授 (50292719)
吉川 浩史 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教 (60397453)
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Keywords | 環状チアジルラジカル / 半導体性 |
Research Abstract |
チアジアゾール環をもつポルフィラジン化合物M-TTDPz (M=H2,Fe,Co,Ni,Cu,Zu)は、フタロシアニンと同程度の安定性に加え、多次元的な分子間相互作用が期待される。このため、フタロシアニンには色素や電子材料として様々な応用があるが、M-TTDPzにはこれを凌駕するような電子特性が期待される。本研究においてこの物質の結晶成長に挑戦したところ、S…N接触、配位結合、π-π相互作用など、この系がもつ強い自己集積能を反映した三種類の結晶形が得られた[5]。このうちα型と名づけた構造は、S…N接触により2次元シート構造が形成され、これがπスタックしている。この構造は薄膜化に最適と考えられることから、真空蒸着法による製膜を試みた。その結果、基板の種類によらず、結晶の2次元面を基板に平行にしながら堆積することが分かった。この膜を支持電解質水溶液中で電気化学的に1電子還元・酸化したところ、顕著なエレクトロクロミズムを伴う可逆的な変化がみられた。このような電気化学的なプロセスに対しての安定性は、この分子の強い自己集積能を反映するものと考えられる。さらに、中性から還元状態への変化についてin-situで電気伝導度測定をしたところ、伝導度は3桁上昇し、n型のキャリアドープが可能であることが分かった。
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Research Products
(5 results)