2007 Fiscal Year Annual Research Report
DNAの構造と反応性に関するケミカルバイオロジー研究
Project/Area Number |
19205023
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
杉山 弘 Kyoto University, 大学院・理学研究科, 教授 (50183843)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板東 俊和 京都大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20345284)
篠原 憲一 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教 (70378561)
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Keywords | 構造機能解析 / DNA / 光反応性 / 修飾塩基 / 5-ハロウラシル |
Research Abstract |
本研究では、DNAの構造と機能の制御に関する化学的研究を推進することによって、遺伝子発現に連動したDNAのダイナミックな構造変化を解明し、特定遺伝子の一般的な発現制御法の開拓を目的としている。 特に、グアニンに富むDNA配列が形成する特異的な立体構造、Z型や4本鎖構造はDNA結合性タンパクの認識モチーフとして興味深い。従って、細胞内DNA中で形成している高次構造の状態を解析するための方法論の開発は細胞生物学的にも重要な研究である。当初の計画ではZ型DNAや染色体末端のテロメアが形成する4本鎖領域に選択的に結合する新規機能分子を設計・合成し、プレートリーダーを用いて構造特異的な結合特性評価を網羅的にすすめることとしていた。誘導体の合成と機能評価進めていたが、研究開発初期段階で発見した機能分子を超える新規機能分子を見出すことができないという結果となった。そのため、今年度は異なった候補化合物からの誘導体合成に努めた。 また、細胞内ゲノム中での特異的な遺伝子発現制御に関する研究の一環として、現有のFmoc固相合成法によりPy-Imポリアミド合成の効率化を行ない、新規機能性ポリアミドの合成と機能評価を行った。その結果、10塩基対の認識塩基配列を有する機能分子設計の改善が進み詳細を論文に報告した。 現在、転写開始領域で観察されるグアニン連続配列や、染色体末端のテロメア配列で形成される4本鎖構造を研究対象として、構造特異的な機能評価を詳細に進めている。
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