2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19205025
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松本 泰道 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80114172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鯉沼 陸央 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 講師 (70284742)
伊田 進太郎 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (70404324)
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Keywords | ナノ電池 / ナノシート / 層状酸化物 / インターカレート / 電気化学 / 層状水酸化物 |
Research Abstract |
本年度の研究成果をまとめると以下の2件になる。 1.ナノ電池を作製するうえで、一方の極としては層間に銀がインターカレートした電極(層間での銀イオンと銀原子の電気化学反応)があるが、もう一方の極として電気化学反応活性が高い層状酸化物を探す必要がある。それは、二つの電極の電位が異なることが電池を作製する上で必須であるからである。その電極としてGa-Niからなる金属水酸化物(LDH)に注目し、その電気化学反応を研究した。まずGa-NiのLDHが簡便に作製できる方法を考案した。すなわち出発物質を混合し、水熱反応器のもとでセルをシェイクする方法を実施した結果、従来の数十時間かかっていた反応時間を数時間に短縮できた。得られたLDH層状物質は、容易に、層間にインターカレートした陰イオンと液中の陰イオンとの間でイオン交換することがわかった。さらに得られたLDHをホルムアルデヒド溶液中でナノシートに剥離できることに成功した。ここではAFM測定によって一枚の1nm以下の厚さのナノシートに剥離していることを確認した。これを用いてLBL法で層間にフェロシアンとフェリシアンイオンがインターカレートした薄膜を作製した。その電気化学反応を測定した結果、FeだけでなくNiが反応に関与するプルシアンブルーの特異的電気化学反応を示すことがわかった。 2.Ti-0のナノシートからなる銀イオンをインターカレートした厚さ数nmからなる電極にイオン伝導を示すモンモリロナイトナノシートをLBL法によって積層し、次に上記の層状膜を作製した。すなわちモンモリロナイトがサンドイッチ状に挟まれた電池構造となる。厚さは約10nm程度であった。これの電池特性を取ることに成功したが、数サイクルを繰り返すと機能しなくなった。さらに良い電池の作製が今後の課題となる。
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Research Products
(5 results)