2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19205025
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松本 泰道 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80114172)
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Keywords | ナノ電池 / ナノシート / ニッケル水酸化物 / 酸化グラファイト / 電気化学反応 |
Research Abstract |
層状ナノ電池は、陰極、陽極、それを分離るイオン伝導体のナノシートを層状にすることで完成する。このため、両極が電気化学反応し、電極電位に差があること、単極での反応が可逆的であることが要求される。本年度に実施した研究の中で成果があがったものについて以下に記述する。 1.銀イオンを挟んだナノシートの電気化学反応で、ホスト層は電気伝導性の高いものが望ましいことがわかってきた。そこで、酸化グラファイトのナノシートをまず作製することを行った。グラファイトを酸化処理し、これをテトラブチルアンモニウム水溶液で超音波処理したところ、一枚のナノシートからなるナノシート溶液を作製することに成功した。この溶液から伝導性基板にLBL法により層間に銀イオンが入った層状の陽極を作製し、その電気化学反応から可逆的に反応する銀電極が作製できたことを確認した。 2.電気化学的に活性な遷移金属酸化物ナノシートを作製することを試みた。特にNiの水酸化物に関しては、電気化学的に活性が期待される。硝酸ニッケル水溶液にドデシル硫酸ナトリウム(SDS)とヘキサメチレンテトラミン(HMT)を混合し、オートクレーブ中で反応したところ、SDSを層間に含んだ水酸化ニッケル層状酸化物が得られた。これをホルムアミド中で剥離したところ、一枚の水酸化ニッケルナノシートが得られた。それが1枚のナノシートになっていることをAFMで観察・確認した。このナノシートを伝導性基板に密着させ、その電気化学特性を測定したところ、アルカリ中でNi(OH)_2/NiOOHの電気化学反応を示した。すなわち、このナノシートはナノ電池の電極として使用可能であることが明らかとなった。 3.モンモリロナイトをプロトン伝導体として上記の二電極からなる電池を作製し、その充放電特性を測定したが、充放電特性は得られるものの再現性が得られにくく、その作製手法を再考する必要がある。
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