2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19205025
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松本 泰道 Kumamoto University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80114172)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 酸化銅 / グラフェン / ナノシート / ナノ電池 |
Research Abstract |
平成21年度は、様々な電気化学活性なナノシートおよびそれを用いた層状酸化物の作製を中心に研究を行ってきた。得られた成果を以下に示す。 1. 電位の異なる遷移金属水酸化物ナノシート電極の探索 酸化亜鉛ナノシート、酸化銅ナノシートおよびそのドーピング体についてこれらの合成研究を行ってきた。酸化亜鉛ナノシートに関しては電気化学プロセスおよびソフト溶液プロセスによって合成した。電気化学プロセスにおいては酸化亜鉛層状物質を作りそれを剥離することで世界で初めて酸化亜鉛ナノシートの作製に成功した。一方、ソフト溶液プロセスにおいては、得られたナノシートは水酸化亜鉛ナノシートであった。これらに他の金属イオンをドーピングすることにも成功した。ドーピングにより伝導性を制御できることが期待される。また、ソフト溶液プロセスにおいては、酸化銅ナノシートの作製にも成功した。 2. グラフェンナノシートにインターカレートした電気化学活性種の電気化学反応 グラファイトナノシートすなわちグラフェンに関しては、グラファイトを酸化して酸化グラファイトとして、それを剥離して酸化グラフェンを得た。このままでは伝導性が低いためにUV光照射したところ、還元が生じ伝導性が著しく向上した。この発見はグラフェンの合成方法に新しい世界をもたらす。電気化学特性までに至らなかったが、今後電気化学活性種をインターカレートし、さらに活性を高めるために光還元が有効に作用するものと考えている。 3. 静電相互作用、LB法、光電析法による積層電池作製の試み LB法を用いて酸化グラフェンの積層に成功した。この成功により、グラフェンの厚み、広さなどが明らかとなった。積層にっいても試みたが、うまくいかなかった。光電析との併用が必要であることがわかった。
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