2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19205025
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
松本 泰道 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80114172)
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Keywords | 酸化グラフェン / 酸化亜鉛ナノシート / 光電池 / 層状体 / 酸化セリウムナノシート |
Research Abstract |
22年度の研究実績は以下の通りである。 1.酸化グラフェンナノシートの電気化学特性評価 酸化グラフェンナノシートをグラファイト酸化後水溶液に分散して作製した。この分散溶液を用いて電気泳動法によってITO電極に固定した。得られた電極め電気化学・光電気化学特性を測定したところ、光応答する光電流を観察した。特に光アノード電流が高く、n型半導体的挙動を示すことが明らかとなった。UPSなどの測定から、酸化グラフェンのバンド構造が明らかとなった。さらに光還元により、水素発生や二酸化炭素発生が観察された。光還元された酸化グラフェンが強磁性を示すことから、還元によりジグザグ構造を有する細孔が生じていると判断された。これらの結果から酸化グラフェンナノシートは光電池の電極材料として使用可能であることが判明した。 2.金属イオンをドープした水酸化亜鉛層状体の電気化学反応 ドデシル硫酸イオンを層間に含む層状水酸化亜鉛や酸化亜鉛に関しては、これらの層状体が強磁性を示し、グリーンの発光を示すことから、多量の欠陥を含む酸化亜鉛ナノシートがホスト層を形成すると予想された。オレイン酸を層間に置換させると強磁性がなくなり、発光スペクトルが紫に移動することから欠陥がなくなることが推定された。これらはいずれも大きな光電流を示し、酸化グラフェンと同様に光電池の電極として作動できることが判明した。ナノ光電池として層状体を考えたとき酸化亜鉛ナノシートと酸化グラフェンナノシートの交互積層膜を作製する必要が有ると推論できる。 3.LBL法や電気泳動法による積層電池作製の試みと新規なナノシート体の作製 電気泳動法による積層電池の作製を試みたが、いずれも第二層の泳動で剥がれ落ち、うまくいっていない。また、ドデシル硫酸イオンを含むセリウム層状体の合成に成功し、そのナノシートの作製には成功している。
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