2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19205026
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
谷口 尚 National Institute for Materials Science, ナノ物質ラボ, グループリーダー (80354413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 賢司 独立行政法人物質・材料研究機構, 光材料センター, 主任研究員 (20343840)
津田 統 独立行政法人物質・材料研究機構, 光材料センター, 特別研究員 (10242041)
大場 史康 京都大学, 工学研究科, 助手 (90378795)
山田 貴寿 産業技術総合研究所, ダイヤモンド研究センター, 研究員 (30306500)
小林 一昭 独立行政法人物質・材料研究機構, 計算科学センター, 主幹研究員 (00354150)
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Keywords | 六方晶窒化ホウ素 / 深紫外線発光 / 金属フラックス結晶成長 / 自由励起子発光 |
Research Abstract |
高輝度の深紫外線発光を呈する高純度六方晶窒化ホウ素(hBN)はこれまで、反応性のアルカリ溶媒を用いた高圧環境下でのみ合成されていた。本年度、Ni系の遷移金属にCrやMoを添加することで窒素溶解度を向上させ、これを溶媒とすることで常圧・窒素雰囲気下での高純度hBNの合成に成功した。得られたhBN結晶の発光特性は高圧合成によるものと同様に、波長215nm付近の高輝度のバンド端発光を呈した。 また、このようなhBN発光特性は、実験的にはダイヤモンドの数千倍の励起子発光を示すことから、hBNは、直接遷移型の半導体であることが提唱されているが、ほとんどの計算予測では間接遷移型であることが示唆されている。そこで、hBNの励起子発光および束縛励起子発光の時間分解測定を行い、これらの発光の起源を探った。自由励起子発光(215nm)は非常に速い発光寿命(70psec)を持ち、高効率な発光強度を裏付ける結果を得た。また、積層方向の無秩序化による束縛励起子発光(227nm)は積層方向への波動関数の広がりを反映した振動子強度の弱化を反映して、約3nsecとやや遅い減衰を示すことがわかった。 第一原理計算によると、実験で予想される励起子結合エネルギー程度の構造ゆらぎで直接遷移型/間接遷移型が大きく変化してしまうことがわかった。この特殊な励起子構造に関する詳細研究が今後必要である。
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Research Products
(28 results)