2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19205028
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今中 信人 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (30192503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増井 敏行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (00304006)
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Keywords | 窒素酸化物 / 粒子状物質 / 排ガス浄化触媒 / 希土類酸化物 / 立方晶C型構造 / 立方晶蛍石型構造 / 酸化還元 |
Research Abstract |
窒素酸化物(NO_X)は、人体に有害であるだけでなく、酸性雨や光化学スモッグの原因物質としてよく知られている大気汚染物質である。窒素酸化物を分解浄化する方法としては、炭化水素、尿素、アンモニア等を還元剤として用いる方法が考案されているが、最も理想的な分解法は、触媒との接触のみによって無害な窒素と酸素へと分解する直接分解法である。窒素酸化物の直接分解触媒としては、これまでにゼオライト系やペロブスカイト系触媒などが報告されているが、前者は高温での失活が、後者は活性そのものが低いことが課題となっている。本研究では、結晶構造中に大きい隙間を有する立方晶C型希土類三二酸化物が、一酸化窒素の直接分解に対して優れた触媒活性を示すことを見いだし、なかでも酸化ガドリニウムを母体とした(Gd_<l-x-y>Tb_xBa_y)_2O_<3-y>が、これまでに報告されていた触媒よりも高い一酸化窒素の直接分解活性を示すことを明らかにした。 一方、ディーゼル自動車の排ガスには、窒素酸化物に加え、粒子状物質が存在する。この粒子状物質は環境に悪影響であるだけでなく、人体に吸い込まれると肺ガンなどを引き起こす危険性があることから、その排出規制が年々厳しくなっており、その排出を低減することは極めて重要である。そこで、この粒子状物質を低温で酸化することができる触媒の開発が強く望まれている。本研究では、CeO_2-Pr_6O_11-Bi_2O_3複合酸化物を触媒として用いると、粒子状物質の燃焼温度が著しく低下することを見いだした。さらに、この触媒の合成時に分散剤としてポリビニルピロリドンを加えることにより、粒子状物質の完全燃焼温度を345℃まで引き下げることに成功した。
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