2009 Fiscal Year Annual Research Report
不均一液相界面を利用した新規液相析出プロセスによる微細材料の創製
Project/Area Number |
19205029
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
出来 成人 Kobe University, 工学研究科, 名誉教授 (10101065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水畑 穣 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (10283871)
梶並 昭彦 神戸大学, 環境管理センター, 准教授 (10169443)
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Keywords | 液相析出法 / 金属フッ化物 / 水溶液内平衡反応 / 高分子溶液 / 酸化スズナノ粒子 |
Research Abstract |
不均一液相界面を用いた金属酸化物ナノ粒子合成について調製法として従来、高分子水溶液を媒体とする液相析出法により金属酸化物ナノ粒子が得られることを報告してきた。本年度は複合系酸化物合成について検討し、酸化スズ反応溶液系において、Ba,Siなどの多種カチオンドープによる複合系金属酸化物ナノ粒子の合成を試み、ドープするカチオンによるナノ粒子の合成条件、物性および結晶構造に対する影響について検討した。SnSiO_x系については[SiF_6]^<2->/H_2SiF_6水溶液を添加し作製したナノ粒子について、ICPを用いて試料中のSi及びSn量を評価した。その結果、[SiF_6]^<2->/H_2SiF_6水溶液の初期濃度の増加に従い、試料中のSi/Sn比が増加することが確認された。また、試料中のSi/Sn比の増加に従い、得られる試料が粉状からゲル状となることが確認された。一方、試料のTEM像からナノ粒子の粒径は5nm程度の粒径であり、かつ単分散であることが確認された。また、[SiF_6]^<2->/H_2SiF_6水溶液の初期濃度を増加とともに、ナノ粒子の平均粒径が増大する傾向が確認された。以上の結果より、[SiF_6]^<2->/H_2SiF_6水溶液が粒子成長及び析出形態に影響を及ぼすことが示唆された。XRD測定の結果、SnO_2(Cassiterite)に帰属される回折パターンのみが確認された。このことから、ナノ粒子の結晶構造は酸化スズからなることが明らかとなった。なお、本研究の目的はおおむね達成されたことから、2009年9月に研究を終了した。
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