2010 Fiscal Year Annual Research Report
界面精密構造制御による高性能グリーンナノハイブリッド材料の構築
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19205031
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高原 淳 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (20163305)
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Keywords | イモゴライト / ARGET ATRP / ハイブリッド / α-メチレン-γ-ブチロラクトン / 共重合 / 耐熱性 / ポリ乳酸 |
Research Abstract |
1.天然ナノフィラーの表面化学修飾 天然ナノフィラーとマトリクス高分子との界面相互作用はハイブリッド材料の物性を支配するため、界面相互作用制御と結晶性の促進を目的としたナノフィラーの表面化学修飾を検討した。具体的には、マトリクス高分子と相互作用の強い官能基を導入するために、イモゴライトのAl-OH基と強い相互作用を示すリン酸基を片末端に有するリビングラジカル重合開始剤をイモゴライト表面に導入し、ARGET ATRPによりポリメタクリル酸メチル(PMMA)グラフトイモゴライトを調製した。表面への官能基や高分子鎖の導入を赤外吸収スペクトル測定、X線光電子分光測定、熱重量分析(TGA)測定に基づき評価した。さらにAFM観察によりグラフト鎖の存在の直接確認に成功した。 2.種々の高分子材料と表面修飾イモゴライトのハイブリッド化 PMMA修飾イモゴライトを用いてポリ乳酸、ポリ塩化ビニルとのハイブリッド化を検討した。ハイブリッド材料の物性を、動的粘弾性測定、DSC測定などに基づき評価した。またハイブリッド膜中での分子鎖凝集構造を小角X線散乱・広角X線回折に基づき評価した。 3.新規植物由来高分子系ハイブリッド材料の検討 植物由来のα-メチレン-γ-ブチロラクトン(MBL)とMMAをランダム共重合、ブロック共重合を行い、得られたガラス状高分子の凝集構造と物性について検討を行った。MBLとの共重合により、ランダム共重合体、ジブロック共重合体のいずれも少量のMBLの導入でPMMAの耐熱性が大きく向上した。
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