2008 Fiscal Year Annual Research Report
固定電荷制御による新型シリコンヘテロ接合太陽電池の研究
Project/Area Number |
19206001
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小長井 誠 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (40111653)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮島 晋介 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (90422526)
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Keywords | 太陽電池 / ヘテロ接合 / シリコン太陽電池 |
Research Abstract |
微結晶SiOや低温成長微結晶3C-SiC(cubic SiC)を接合形成に用い、さらに新規な固定電荷制御パッシベーション膜を開発することにより、3年間の研究期間内にエネルギー変換20%以上を達成することを目指して研究を行った。2年目の成果は以下のとおり。 (1) デバイス構造の最適化 p形微結晶SiO/アンドープ・アモルファスSiOバッファ層/n-Si(ウェハ)/ia-Si/n-a-Si/電極金属構造からなるヘテロ接合太陽電池の最適化により変換効率17.8%(面積1cm^2、開放電圧685mV)を実現した。表面を凹凸化させて表面反射率を減少させたウェハを使用することにより、変換効率は18.2%まで向上し、本年度の目標をほぼ達成した。 (2) 新型ヘテロ接合のデバイス物理と製膜技術開発 原料にトリメチルアルミニウムと二酸化炭素を用いて、VHF-PECVD法によりアモルファスAlOを製膜すると、膜中には、負の固定電荷が多量に含まれ、p形ウェハのパッシベーション膜として、非常に優れた特性を有していることを見出した。そこで、n形微結晶3C-SiC/a-SiCバッファ層/p-Si(ウェハ)の裏面をa-AlOでパッシベーションしたポイントコンタクトセルを試作した。現状では、16%の変換効率(開放電圧618mV)が得られており、今後、界面準位低減のメカニズムを解明することにより、一層の高効率化が期待できる。このセルでは、ワイドギャップのn形微結晶3C-SiCをヘテロ接合に用いているため、短波長領域での収集効率が高いのが特徴である。 (3) ヘテロ界面の評価 界面欠陥がセル特性に及ぼす影響をシミュレーションし、セル特性と比較検討した結果、現状では、光照射側の界面欠陥密度は、2x10^<10>/cm^2、裏面での界面欠陥密度は5x10^<10>/cm^2まで低下していることが分かった。これらの値は非常に優れており、現状ではバルクライフタイムでセル特性が制限されていることが分かった。
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Research Products
(7 results)