2010 Fiscal Year Annual Research Report
シリコン結晶中への多元素重畳δドーピング層の実現と量子情報処理への応用
Project/Area Number |
19206003
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
三木 一司 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ有機センター, グループリーダー (30354335)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日塔 光一 独立行政法人物質・材料研究機構, ナノ有機センター, 研究業務員 (20421414)
坂本 邦博 独立行政法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス研究部門, 主幹研究員 (50357109)
川畑 史朗 独立行政法人産業技術総合研究所, ナノシステム研究部門, 主任研究員 (30356852)
深津 晋 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60199164)
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Keywords | 結晶工学 / 結晶成長 / 半導体物性 / 量子コンピュータ / MBE・エピタキシャル |
Research Abstract |
今日の社会では情報通信の革新のために、交通制御などを扱うような複雑な問題を処理する情報技術や、個人情報が完全に保護する通信技術が必要とされており、このような情報処理通信技術の実現には量子情報科学の活用が不可欠である。量子情報技術では量子ビットと呼ばれる情報の担い手になる物理系が必要となる。本研究は、この物理系として異種原子を5-10nmの間隔で隣接配置した構造をエピタキシャル成長技術で実現するものである。具体的な成果は以下の通り。 ・2元素重畳δドーピング技術の確立 ビスマスドーパントの活性化では、レーザアニールに加えて低温アニール処理を合わせたハイブリッド手法を確立した。レーザアニールはYVO_42倍波固体レーザ(532nm、18W)を用いて、100m/minの線速度で回転するターンテーブル上に基板を載せ、窒素雰囲気中で集光面積10μm^2に照射して行い、照射レーザ出力は5~18Wの範囲で可変した。このレーザアニールではアニール処理によって新たに欠陥が生成され、その後の炉アニールにより欠陥構造の大半が除去できる事が分かった。この欠陥は増幅作用がある可能性があると指摘されているため、シリコン表面に炭素吸着を行ってレーザアニールを行う事により、高密度欠陥構造層を作製する事も行った(論文投稿済み)。 ビスマスとエルビウムの2元素重畳δドーピングした試料の最終的なδドーピング構造を作製することに成功し、本研究課題の最終目的を達成した。
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