2008 Fiscal Year Annual Research Report
シリコンナノ膜をベースとした新奇低次元構造・物性制御
Project/Area Number |
19206005
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤川 安仁 Tohoku University, 金属材料研究所, 准教授 (70312642)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
AL-MAHBOOB A 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 助教 (10455850)
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Keywords | 表面・界面物性 / 走査プローブ顕微鏡 / 低次元電気伝導 |
Research Abstract |
本年度においては、引き続き極薄SOIの抵抗測定を継続して行った。温度可変プローバーによる測定においては、昨年度来測定の問題点となってきた測定電流による加熱効果が、プローブの接触抵抗の変化と相まって電気抵抗の誤差を生じる原因となっている事が考えられ、安定した抵抗測定を行う事は難しい事が判明した。そのため、昨年度より整備を進めている4探針STM装置を使用した安定した電流注入を行う事をめざし、装置の整備に集中的に行った。その結果、超高真空中での清浄表面の作成およびその原子分解能観察に成功しており、4探針をSTM装置として使用しつつ電気伝導測定を行う基礎的準備が整った。これまでの研究により、研究対象となっているシリコン表面においては、金属的かどうか議論が分かれてきた系においても半導体的な電気伝導特性を示す事が分かってきた事から、4探針STM装置においても試料部における常温までの高精度温度調整が必要となっており、現在装置の改良に取り組んでいる。 また、SOI構造上に集積するナノ構造の研究にも精力的に取り組み、シリコン上に形成された銀アイランド構造のエネルギー分析PEEM実験によって、銀表面においては非占有自由電子バンドに有る電子が表面ポテンシャルによる散乱を受けずに通過することが出来るという興味深い知見を見いだした。このような系をSOIに対して複合化させる事によって半導体・金属間接合におけるバリスティック電子の高度な制御が可能になるのではないかと考えられる。
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Research Products
(3 results)