2009 Fiscal Year Annual Research Report
可視・赤外併用遠隔非接触応力ひずみ計測法開発による構造健全性診断システムの構築
Project/Area Number |
19206015
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
阪上 隆英 Kobe University, 大学院・工学研究科, 教授 (50192589)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 司郎 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20107139)
西川 出 大阪工業大学, 工学部, 教授 (90189267)
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Keywords | 非破壊検査 / 赤外線サーモグラフィ / 自己相関ロックイン法 / 熱弾性温度変動 / 鋼構造物 / 疲労き裂 / 実働応力拡大係数 / コンクリート構造物 |
Research Abstract |
本研究では,自己相関ロックインサーモグラフィによる疲労き裂の遠隔・非破壊・非接触計測手法と,可視デジタル画像相関による変位ひずみ分布計測をハイブリッド化した,新しい疲労き裂遠隔定量非破壊評価法および実働荷重下での破壊力学評価手法に基づく,経年構造物の構造健全性評価システムを開発することを目的としている.平成21年度は,自己相関ロックイン法によるき裂検出・測定精度,赤外線応力測定精度の更なる向上,現場実験を通じた同手法の適用限界の検討を行った.得られた研究成果を以下に示す.(1)画像相関法の改良による計測視野補正を高精度化し,き裂同定精度を向上させた.(2)実験室レベルの鋼構造試験体を対象とした疲労き裂評価実験を行い,デッキ貫通型疲労き裂計測への適用性を検討した.荷重負荷の大きさおよび周波数,測定距離,鋼構造の防食塗装がき裂同定に及ぼす影響を検討し,自己相関ロックイン法は実用上十分なき裂検出能力を有していることを確認した.(3)供用下の道路橋鋼床版に対する現場実験を行い,応力測定精度ならびに自己相関ロックイン法の適用限界を検討した.車両による載荷時の応力変動波形のその場計測が可能であること,き裂進展形態により応力場が異なることを確認した.12m離れた遠隔からのき裂検出が可能であること,中型貨物車以上の荷重載荷によりき裂検出が可能であること,き裂が防食塗装下にあっても検出可能であること,載荷車両の車速に関わらずき裂検出が可能であることを実証した.(4)実働荷重による応力分布計測結果から応力拡大係数を評価する手法を検討した.赤外線計測で得られた応力分布に対して,応力分布解の第3項までの関数形の係数を最小二乗近似により求め,応力拡大係数を外挿により求める手法を提案した.(5)開発した自己相関ロックイン法およびその周辺技術をコンクリートや複合材料構造の非破壊検査法に展開した.
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Research Products
(33 results)