2008 Fiscal Year Annual Research Report
次世代高精度ミラー製作のための傾斜角積分型超精密形状計測法の開発
Project/Area Number |
19206019
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
遠藤 勝義 Osaka University, 大学院・工学研究科, 教授 (90152008)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
打越 純一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (90273581)
東 保男 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 機械工学センター, 准教授 (70208742)
|
Keywords | 形状計測 / 法線ベクトル / スロープエラー / 形状誤差 / ロータリーエンコーダ / 高精度ゴニオメータ / 5軸同時制御 / 高精度ミラー |
Research Abstract |
本年度は、超精密形状測定装置における法線ベクトルを追跡する光学系を誤差解析に基づき詳細に設計するとともに、試作装置による角度分解能の実証実験を行った。また、直交する2軸のゴニオメータと1軸の直進ステージからなる、光学系を搭載するための3軸の高精度ステージを設計・製作した。 まず、本研究では、従来と比較して一桁程度曲率半径度が小さい試料を対象とするため、試料面と光学系検出器間の距離である光路長は従来の数mから460mmと短くなり、光学系の検出感度は悪くなる。ここでは、法線ベクトル測定の角度分解能を0.2μradとなるように設計した。光学設計としては、レーザ光源と、ビームスプリッター、1/4波長板、レンズ、4分割フォトダイオード(QPD)の配置を光線追跡によって設計した。さらに、QPDの検出角度分解能を、試料からの反射レーザビームが変位したときのQPDの量子効率と電流アンプ・差動アンプのゲインから出力信号を算出した。これらの設計に基づき、法線ベクトルを追跡する光学系を試作した。本試作装置によって、0.2μradの角度変化に対して設計通りのQPD出力が、充分なS/Nで検出されることを実証した。また、光路長が460mmと従来よりもコンパクトな超精密加工装置の光学系側の3軸高精度ステージを設計・製作した。2軸のゴニオメータは、摩擦抵抗が無く、高精度回転を実現するエアスピンドルを用いている。ロータリーエンコーダの読取り精度は0.2μradである。そして、測定時間が1点当たり30msec以下になることを目標にして、光学系3軸と試料系2軸の5軸ステージを同時に制御するシステムを設計した。高速化のために、光学系が常に試料面の法線ベクトルを追跡する追従制御で、試料系は追値制御とする。さらに、測定環境を安定させるために、温度を±0.01℃に制御するサーマルチャンバーを新たに開発して導入した。
|
Research Products
(8 results)