2009 Fiscal Year Annual Research Report
硬質膜のなじみ過程制御による超低摩擦と超耐摩耗を両立した硬質膜設計指針の確立
Project/Area Number |
19206020
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
梅原 徳次 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 教授 (70203586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上坂 裕之 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90362318)
野老山 貴行 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (20432247)
吉野 雅彦 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40201032)
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Keywords | トライボロジー / 機械要素 / 硬質カーボン膜 |
Research Abstract |
本研究では,硬質カーボン膜のなじみ過程に注目し,超低摩擦・耐摩耗のためのa-CNx膜の高効率・細穴内面成膜法及びなじみ過程(超低摩擦,耐摩耗及びゼロリーク)評価技術開発を行うことを目的とした。 具体的には,開発された表面波励起プラズマによる成膜法を用いて種々のDLC膜及びa-CNx膜を成膜した.それら種々の機械的特性と構造を有するa-CNx膜及びDLC膜において,「なじみ過程観察装置」を用いて,衝撃摩耗における摩擦面の微小時の変形と破壊によるなじみ過程にともなう,平滑化などの摩擦表面の幾何学的形状の変化,グラファイト化などの摩擦表面の構造変化及び相手面への移着膜の生成などを,AFM及びラマン分光分析により定量的に明らかにした.その結果,硬質カーボン膜の構造変化とそれに伴う摩耗が確認された. 硬質カーボン膜を有するディスクにピン材料を衝突させた際のピンとディスクの形状の変形のシミュレーション手法を開発し,衝突速度,質量による基板の塑性変形量の推定を可能とした.その結果,表面の硬質カーボン膜が弾性変形していても基板が塑性変形することが確認された. また,すべり摩擦においては,DLCとa-CNx膜のなじみ過程を促進するためにnmスケールの膜厚のカーボンオーバーコートを付与する事及び紫外線を照射する等を行った.その結果,超低摩擦と超耐摩耗を両立するカーボンオーバーコートの膜厚,紫外線の波長の必要条件を明らかにした.
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Research Products
(2 results)