2007 Fiscal Year Annual Research Report
非線形マイクロ流動評価のためのマイクロ4次元PIV開発
Project/Area Number |
19206022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 孝司 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (80204030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
染矢 聡 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (00357336)
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Keywords | 可視化 / 流体工学 / 熱工学 / PIV / 蛍光 / マイクロ熱流体 / マイクロPIV / 燐光 |
Research Abstract |
μTASなどのマイクロ流体デバイスは,極微量のサンプルで環境物質の分析を行うなど,多くの分野で開発が進んでいる。特に新機能材料の創成や生体試料分析などでは微妙な制御を必要とし,混合・反応・加熱・冷却・相分離・抽出などを伴う流れ場のダイナミクスを解明する必要がある。 しかし,100μm以下の微小スケールにおける熱流動は,界面張力や急激な温度,濃度勾配などの非線形効果の影響が大きくなるため,従来の計測手法ではマイクロデバイス内の非線形な3次元熱流動を十分に解明できない。更に時間変動を加えた4次元流動を把握するためには,新しい計測技術が必要である。 本研究ではマイクロデバイス内の3成分速度分布計測法であるマイクロ3次元PIVを開発すると共に,時系列変動を含むマイクロ4次元PIVへの拡張を行う。 本年度は奥行き方向に異なる流路形状を持ち,深さ方向の位置によって水平方向の速度が大きく異なるマイクロミキサー内の流れを測定可能な多断面速度分布同時計測法を開発した。深さが異なる場合,非常に薄い領域でのみピントの合う顕微鏡を用いた撮像システムでは,深さによってマイクロ粒子像の結像パターンが全く異なる。また,マイクロミキサー内では流路形状に従い,深さが異なる断面での水平速度分布が異なるため,粒子像の変動速度も深さによって大きく異なる。これらの特性と高速度カメラの利用により,撮影時間間隔の短い画像ペアを用いたPIV処理によって比較的速い流れ場の速度分布を解析し,また,撮影時間間隔の長い画像ペアを用いたPIVによって比較的遅い流れ場を解析した。後者の画像ペア間では高速で移動する粒子像はPIV処理に適切な粒子移動量を超えて相互相関値が非常に小さくなるため,結果的に比較的低速で移動する粒子像に起因した速度分布を検出できる。この新手法により,複雑な速度場を持つマイクロミキサー内の流れを3次元測定できた。
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Research Products
(4 results)