2008 Fiscal Year Annual Research Report
非線形マイクロ流動評価のためのマイクロ4次元PIV開発
Project/Area Number |
19206022
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡本 孝司 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 教授 (80204030)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
染矢 聡 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 准教授 (00357336)
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Keywords | 可視化 / 流体工学 / 熱工学 / PIV / 蛍光 / マイクロ熱流体 / マイクロPIV / 燐光 |
Research Abstract |
μTASなどのマイクロ流体デバイスは, 極微量のサンプルで環境物質の分析を行うなど, 多くの分野で開発が進んでいる. 特に新機能材料の創成や生体試料分析などでは微妙な制御を必要とし, 混合・反応・加熱・冷却・相分離・抽出などを伴う流れ場のダイナミクスを解明する必要がある. しかし, 100μm以下の微小スケールにおける熱流動は, 界面張力や急激な温度・濃度勾配などの非線形効果の影響が大きくなるため, 従来の計測手法ではマイクロデバイス内の非線形な3次元熱流動を十分に解明できない. 更に時間変動を加えた4次元流動を把握するためには, 新しい計測技術が必要である. 本研究ではマイクロデバイス内の3成分速度分布計測法であるマイクロ3次元PIVを開発すると共に, 時系列変動を含むマイクロ4次元PIVへの拡張を行う. 本年度はデフォーカス法を用いた2次元3成分による3次元速度場計測に着目し, 人工画像を用いたシミュレーションでその原理と有効性を評価し, 傾斜チューブを用いたマイクロPIV実験によって手法の性能評価を行った. これまでに提案されていたデフォーカス法ではピンホールを用いるため画像が暗くなり, 長い露光時間が必要, すなわち速い流れには適用困難な特徴を持っていた. 本研究ではピンホールを利用せず, 粒子画像のビンボケを利用することによって短い時間で十分な輝度を持つ画像を取得し, 3次元速度場の評価ができる方法を開発した. その結果, いくつかの問題点は残るものの, 奥行き方向の速度がある程度以内の場合には3次元速度場計測を行えることを明らかにした. 奥行き方向から焦点面に向かう流れが上から下に向かっているのか, 下から上に向かっているのかの判別が困難なことや, 水平方向流れが時空間的に局所な変動を持たないことが条件となるものの, 既存の手法に比べて水平方向流れが比較的速い場合にも対応可能な手法であることがわかった.
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