Research Abstract |
フレキシブルマイクロメカニズムに関して,基盤技術の確立と,応用の両面から研究を進めている. 基盤技術については,今年度は精密押し出し成形加工について研究を進め,外形5mm程度以下で異形押し出しシリコーンゴムチューブの成形が可能となった. フレキシブルマイクロメカニズムの実現に関しては,これまでに築き上げた基盤技術を適用し,平成19年度に引き続き,1)マイクロ一方向バルブ2)自走型ゴムチューブアクチュエータ,3)機能性ゴムシート,4)大変形湾曲動作細径アクチュエータの試作研究を進めた. 1)マイクロ一方向弁については,カンチレバー型や心臓弁型等,各種の立体形状を持つマイクロ弁体を成形し,実験を行い,大幅な性能特性向上に成功した.2)自走型ゴムチューブアクチュエータに関しては,平成19年度に設計,試作した自走型ゴムチューブアクチュエータの形状をベースにして,押し出し成形を行った.4つの空気圧室を持つ"品"字型ゴムチューブを押し出し加工で製作し,これを内視鏡の外周に巻きつけ,4つの部屋に順に空気を送り込むことで表面に弾性進行波を生成し,自走に成功した.3)機能性ゴムシートについては,ゴムの表面に二次元状に複数の微小受動歩行脚を形成したシートの製作に成功し,坂道を滑り落ちてゆくゴムシートの実現に成功した.4)大変形湾曲動作細径アクチュエータについては,昨年までに確立した大変形有限要素法を活用してゴム形状の設計を行うとともに,マイクロゴム転写,ならびに,エキシマ光を用いたマイクロ接合技術を適用することにより,外径2mmと外径0.4mmのアクチュエータをそれぞれ試作した.前者は動作に成功し,魚卵等のハンドリングに成功した.後者は空気漏れが発生し,引き続きプロセス改造により開発を続ける.
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