2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19206028
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菅野 重樹 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00187634)
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Keywords | ロボティクス / 精密機械システム / 人間機械システム |
Research Abstract |
本年度は具体的な作業例を挙げ,人間に追従しつつ作業を遂行する両立機能の構築を目指した.高齢者に対する清拭作業においては,人間の体形状と体動に追従しつつ接触を維持しなければならない.また手のひらによる面接触を形成・維持することは,作業の効率を飛躍的に向上させうる.このとき均一かつ一定の接触圧を対象に及ぼす圧力制御は,局所的な過大接触力を避ける安全性の面から重要だと考えられる.よって人間の体形状・体動に追従しつつ接触圧力を制御するロボット手腕の協調制御手法の構築を目的とした.この目的を達成するためには,多指ハンド全体の位置姿勢を制御する腕部の運動制御とハンド各指の運動制御が協調する必要がある.そこで本研究では基本戦略として,各接触部位の接触圧とその分布を根元側の最近傍関節により制御することとした.これは指末節の接触状態に対してはPIP関節,其節に対してはMP関節,手掌に対しては腕部関節が対応し運動するため,各関節に独立したコンプラインス性を持たせることに相当し,制御を簡素化できる.これを具現化する制御手法は,手掌部の接触状態を制御する手先姿勢修正を加えた腕部ハイブリッド制御,各指節の接触状態を制御する手指コンプライアンス制御の2つである.分布型圧力センサ情報を基に接触面積やその偏在を触覚情報処理モジュールにより検出し,手先姿勢修正量が腕部ハイブリッド制御に指示される.異径円筒を組み合わせまた表面の一部に凸部を設けた構造物に対し,提案手法による清拭作業を行い評価したところ,定常的に大きな接触面積が維持されかつ圧力が偏在することなく一定に制御できることが確認され,本手法の有効性が示された.
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Research Products
(8 results)