2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19206031
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本久 順一 Hokkaido University, 大学院・情報科学研究科, 教授 (60212263)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池辺 将之 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 准教授 (20374613)
橋詰 保 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (80149898)
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Keywords | 半導体ナノワイヤ / 量子集積ハードウェア / 電界効果トランジスタ / 有機金属気相成長法 / 選択成長 / 論理回路 |
Research Abstract |
平成19年度は半導体ナノワイヤの形成技術の高度化、半導体ナノワイヤによる横型の電界効果トランジスタ(FET)の作製と評価、そしてこれらの技術を基盤としたナノワイヤによる集積ハードウェアの構築のため以下の点を中心に研究を行なった。まず、有機金属気相選択成長法を用いてInGaAsナノワイヤを制御よく形成するため、様々な成長条件およびマスク構造を有する基板に成長を行なうことにより、形成メカニズムの解明を試みた。その結果、InGaAsナノワイヤにおいてはその混晶組成比により成長速度おびそのマスク開口パターン依存性に大きな差があり、In組成の増大とそれらが抑制されることが明らかとなった。そして、この結果を説明するモデルについて考察を行い、マスクからのIn原料の再蒸発により説明できることがわかった。次に、作製されたInGaAsナノワイヤをSi/SiO_2基板上に散布し、電極を形成することにより横型FETを作製した。直径100nmのナノワイヤを用いて作製したゲート長1μmのFETを評価した結果、トップゲートを有する素子において最大の相互コンダクタンス3.3mS、on/off比10^3、サブスレッショルドスロープ200mV/decadeの値を得た。そしてこれらの結果や4端子法による抵抗率およびコンタクト抵抗の評価の結果、ナノワイヤ中に意図的に導入した不純物密度が高すぎること、コンタクト抵抗が高いことなどによりFET特性が制限されていることが明らかになり、今後より高性能のFETを実現するための知見を得た。その他、微小流体を用いたナノワイヤの横方向配列構造の形成や、ヘテロ構造を利用して実現可能な半導体ナノワイヤによる論理回路の提案などを行ない、ナノワイヤによる量子集積ハードウェア実現への指針を明らかにした。
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