2009 Fiscal Year Annual Research Report
極微細構造シリコン結晶の電子物性に基づくナノスケール半導体デバイスに関する研究
Project/Area Number |
19206037
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 哲郎 Tohoku University, 学際科学国際高等研究センター, 教授 (00271990)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末光 眞希 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (00134057)
品田 賢宏 早稲田大学, 附置研究所, 准教授 (30329099)
知京 豊裕 東北大学, 物質・材料研究機構・半導体材料センター, センター長 (10354333)
中山 隆史 千葉大学, 理学系研究科, 教授 (70189075)
山田 啓作 早稲田大学, 附置研究所, 教授 (30386734)
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Keywords | 集積回路 / 電子デバイス / ナノデバイス / 電子輸送 / シリコン / ひずみ / 移動度 / 不純物ドープ |
Research Abstract |
極微細構造シリコン結晶の電子物性に基づくナノスケール半導体デバイスに関する研究における本年度の研究成果を、以下にテーマごとに記載する。 理論による極微細構造シリコン結晶の電子物性構築については、極薄のHfO2絶縁膜中に不可避に存在する欠陥が干渉効果に及ぼす影響の解明と、絶縁膜中の欠陥の分布揺らぎがデバイス特性に与える本質的なバラツキの原因の解明を、第一原理計算を用いて昨年度に引き続き進め、これと関係するナノ領域の金属/絶縁体界面のナノ領域の仕事関数を決定する統一理論の構築のための端緒を得た。 極微細構造材料の表面ポテンシャル制御については、これまでに構築してきた極微細構造Si結晶中の不純物の挙動、及び、その表面化学に関する基礎データに基づき、不純物揺らぎ、及び、界面のひずみのデバイスへの影響を引き続き評価した。連続組成変化を持つナノ材料を合成し、材料・組成の変化による表面ポテンシャルの変化を、これまでに構築した走査プローブを用いた顕微鏡による計測手法を用いて系統的に解析することを開始した。また、半導体表面の歪み・半導体中の不純物の超高精度制御を目指し、前年度に引き続き極微細構造Si結晶中の不純物挙動、表面化学に関する基礎データの蓄積を行った。 極微細構造Si結晶中の揺らぎに対する高い耐性を有するデバイス構造の探索においては、開発した極微小信号検出回路を活用し、極微細構造のSi結晶の(1)界面構造揺らぎ、(2)不純物分布揺らぎ、(3)表面ポテンシャル揺らぎがデバイスの駆動電流やしきい値やカットオフ電流やデバイス内部で発生する発熱量などの諸特性の解明を進めた。その中で、半導体デバイス中のナノ界面における電子移動について、「非平衡電子状態」や「動的電子相関」というナノ構造中における電荷の挙動に関する新しい物理概念の端緒も得た。 これら上述の知見は今後のナノデバイスの構築を進める上で、不可欠となる重要な知見である。
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