2008 Fiscal Year Annual Research Report
絶縁ゲートを持つ縦型InP系ホットエレクトロントランジスタの研究
Project/Area Number |
19206038
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
宮本 恭幸 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授 (40209953)
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Keywords | ホットエレクトロン / ヘテロランチャー / InP / InGaAs / 電子ビーム露光 / III-V MOS / バリスティック電子 / モンテカルロシミュレーション / 縦型電子デバイス |
Research Abstract |
実験的アプローチとしては、前年度の研究成果基づき、駆動能力向上の為のプロセス変更を行った。具体的には、メサ形成後始めてに酸化膜をメサを覆うように形成し、その後斜め蒸着でメサ全体をゲート金属で覆う。そして、そのあとコレクタ近傍のみのゲート電極を取り除き、全体をBCBに再度埋めて頭出しをすることで、素子を形成するプロセスを確立した。ソース高濃度化と同時にこのプロセスを行って、酸化膜5nmのときに約1S/mmという酸化膜厚1nm程度でのMOSFETとほぼ同様の駆動能力を得ることが可能となった。またゲート変調で動く素子の確率が作った素子のほぼ半分になり、従来の5倍程度改善された。縦型でチャネルが不純物ドーピングされた構造の素子は、作製を行ったが、残念ながら比較に耐えうる素子動作は得られず、今後も検討を行う予定である。 一方、絶縁膜評価のために、評価が容易な平面型III-V MOSFETを作製し、その基本動作を得た。III-V MOSFETにおいてもソースを高濃度化が駆動能力向上に重要であることから、再成長ソースを用いた構造を提案・作製した。 理論的アプローチとしては、走行時間が非常に短くなるホットエレクトロントランジスタにおいて律速の大きな要因となるエミッタ充電時間についての考察をおこなった。バリスティックモデルに基づいて電子供給層の高濃度化によって駆動能力がどこまで上げられるかを検討した。高濃度化によるフェルミ準位のLバレーを越すことが限界となるもののITRSでの2022年予測値までは供給可能であると思われる。しかしポアソンの方程式とシュレディンガーの方程式を自己無同着に解くことで求めた量子準位を含めたより詳細な検討が必要である。
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