2007 Fiscal Year Annual Research Report
高分子アクチュエータを用いた内視鏡手術ツールの把持機構と制御方式の研究
Project/Area Number |
19206047
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 敦 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (20283731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 文夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (20133142)
平井 宏明 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (60388147)
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Keywords | 電場応答性高分子 / 内視鏡手術 / 医療ロボット / 人工筋肉 / パラレルメカニズム / 多自由度鉗子 / 伸縮アクチュエータ / 屈曲アクチュエータ |
Research Abstract |
本研究の目的は、モータに変わる新アクチュエータとして近年注目されている「電場応答性高分子」を利用することによる人間ロボット協調手術の提案と、これを実現するハードウェアならびにソフトウェアの開発である。本年度は、1.電場応答性高分子の導入による多自由度内視鏡手術ツールの仕様設計・製作と、2.複数の電場応答性高分子から構成される内視鏡手術ツール把持機構のコンセプト設計を並行して行った。前者については、ツールを構成するアクチュエータの基本要素(中空型の弯曲人工筋肉)の開発を行った。次年度に、内視鏡手術ツールとして利用するための様々な動作試験を実施する。後者については、本年度中に「国際PCT出願」を完了させた(PCT/JP2007/060524)。本研究で提案する内視鏡手術ツール把持機構は、パラセルメカニズムによるマニピュレータ部と患者にマニピュレータを装着する固定部、固定部とマニピュレータを結ぶ多自由度アーム(フレキシブルアーム)によって構成されている。マニピュレータは、「電場応答性高分子」をはじめとする人工筋肉を用いた複数(現モデルでは6本)のリニアアクチュエータの伸縮により、患者の腹壁や胸壁に設けられた内視鏡手術ツールの挿入孔(拘束点)を中心とする4自由度の運動を実現でき、さらに2自由度の冗長性を利用してシステムの安全性を向上させている。固定部は、ベルトにより患者の下腹部の骨盤付近にマニピュレータの取り付けを可能にする。またフレキシブルアームにより手術中にマニピュレータの位置姿勢の再配置が行える。さらに、内視鏡手術ツールとマニピュレータの取り付け器具には、ツールの取り外しが容易にできるように永久磁石を用いている。本年度までに、金属系人工筋肉(形状記憶合金)ならびに水圧駆動型アクチュエータを用いた試作機を完成させ、本内視鏡手術ツール把持機構の有効性を明らかにした。
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