2008 Fiscal Year Annual Research Report
高分子アクチュエータを用いた内視鏡手術ツールの把持機構と制御方式の研究
Project/Area Number |
19206047
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西川 敦 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (20283731)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 文夫 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (20133142)
平井 宏明 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (60388147)
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Keywords | 電場応答性高分子 / 内視鏡手術 / 医療ロボット / 人工筋肉 / パラレルメカニズム / 冗長多自由度 / 伸縮アクチュエータ / 弯曲 |
Research Abstract |
本研究の目的は、モータに変わる新アクチュエータとして近年注目されている「高分子アクチュエータ」を利用することによる人間ロボット協調手術の提案と、これを実現するハードウェアならびにソフトウェアの開発である。本年度は、1.前年度に設計・製作した高分子アクチュエータを用いた内視鏡手術ツール用中空型弯曲人工筋肉の再構築とその動作実験、2.弯曲器具の利用を前提とする内視鏡手術シミュレータの製作ならびに評価、3.内視鏡手術ツールを把持する新たなロボットシステムのハードウェアとその基本制御システムの設計・製作を行った。以下、それぞれの結果を簡潔に述べる。 1.電場応答性高分子膜を円筒上に丸めたものを多層構造にすることにより、外径10ミリ、内径8ミリ、全長70ミリの中空の2自由度弯曲人工筋肉を製作し、その動作試験を行って基本性能を評価した。その結果、4kVの電圧下で弯曲角度40度を達成したが、手術における要求仕様(70度以上)を満足させるためには更なる高電圧駆動が必要となり、中空部に手術器具を通す場合に生じる高分子膜との接触等による故障の可能性も高く、根本的な設計の見直しが必要になった。 2.内視鏡手術ツール(弯曲器具)の姿勢ならびにツール把持機構を外科医がマスタスレーブ方式で遠隔操作することを想定し、入力用デバイスの姿勢を読み取り、コンピュータ上の仮想弯曲器具の姿勢に反映させる内視鏡手術シミュレータを作成し、種々の条件下で、操作用インタフェースの構成法について検討した。 3.電場応答性人工筋肉とは駆動方式が異なる小型軽量の人工筋肉アクチュエータを用いた冗長多自由度の内視鏡手術ツール把持機構の製作に成功した。次年度には、上述のシミュレータと統合し本システムの制御系を完成させるとともに、弯曲器具についても同様の駆動機構を導入することにより上記問題を解決することを考えている。
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