2007 Fiscal Year Annual Research Report
統合的画像解析によるコンクリート構造物の破壊進展挙動の解明
Project/Area Number |
19206050
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
二羽 淳一郎 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (60164638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三木 朋広 神戸大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (30401540)
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Keywords | 画像解析 / リアルタイム / デジタルカメラ / コンクリート / ひずみ分布 / ひび割れ進展 / 破壊モード / 破壊予測 |
Research Abstract |
平成19年度は、デジタルカメラ1台を用いて、リアルタイムでコンクリート供試体の対象領域全体のひずみ評価が可能な非接触画像解析システムを構築した。すなわち、コンクリート供試体表面に設けたターゲットを撮影したデジタル画像から、ひずみを算出する一連の作業を、オンラインかつリアルタイムに行うことを可能とするシステムを開発した。これによって、実験中にコンクリート供試体に生じているひずみ分布を把握することが可能となった。具体的には以下のような手法である。 コンクリート供試体に設置したターゲットを各荷重レベルで撮影する。この画像を2次元化し、ターゲットを節点として認識させる。節点の重心を抽出し、その座標を評価する。それを用い、無載荷時のターゲットの座標との差から節点変位ベクトルを算出する。この節点変位ベクトルを有する任意の有限要素から、要素内のひずみを計算し、コンクリート供試体の対象領域全体に対するひずみ分布を求めた。19年度に購入した画像取込ソフト、ひずみ解析ソフト、ビューアソフトを使用し、これら一連の作業を自動的に行うシステムを完成させた。この結果、リアルタイムに、コンクリート供試体の対象領域のひずみ分布を直接、目視により確認することを可能とした。 この結果、従来は、ひずみゲージによって、局所的で離散的にしか把握できなかった、コンクリート供試体表面のひずみを2次元的に、また視覚的に把握できるようになった。このことは、コンクリート構造物、あるいはコンクリート構造部材が破壊する際に、どのような破壊モードによって破壊に至るかを、直感的に判断することを可能とするものであって、コンクリート構造分野におけるひび割れ進展や破壊予測に関する研究の進歩発展に大いに寄与するものといえる。
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