2009 Fiscal Year Annual Research Report
活性汚泥法に取って代わる無曝気・超省エネ方式の次世代型下廃水処理システムの創成
Project/Area Number |
19206056
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
原田 秀樹 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 教授 (70134971)
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Keywords | 下水処理 / 高濃度アンモニア廃水処理 / UASB法 / DHS法 / 微生物群集構造解析 |
Research Abstract |
今、世界中で汚染された水による環境汚染(水質汚濁、疾病、富栄養化など)が大きな問題となっている。特に開発途上国では産業廃水や下水がほとんど処理されないまま公共水域に放流され、現地住民の水環境は劣悪なものである。本研究ではこうした開発途上国に適用可能な新規水処理技術の開発を行っている。UASB-DHSシステムは嫌気性と好気性の処理を組み合わせた水処理システムであり、有機物除去能に関しては既存の活性汚泥法に匹敵する性能を有している。しかしながら、富栄養化の原因となる窒素の除去については、十分な知見が得られていなかった。そこで、我々はUASB-DHSシステムの窒素除去能について研究を行ってきた。これまでに後段のDHSにおいてアンモニア負荷2.0kg-N/m^3/d(250mg-N/L,HRT 3h)の条件でアンモニア除去速度1.97kg-N/m^3/dを確認、アンモニア除去率90%という結果を得た。この値は既存のアンモニア除去プロセスと同程度である。次にFISH法を用いて良好なアンモニア除去プロセス進行時のDHS保持汚泥内の重要微生物の定量を行ったところ、全菌に対し活性のある真正細菌が6割程度、さらに硝化細菌はその内の6割を占めていた。また高さ方向によってアンモニア酸化細菌と亜硝酸酸化細菌の存在割合が異なるという結果が得られた。今後の展開としては、先の細菌存在割合が異なるという原因の解明、またDHSリアクターの物理化学的特性の観点からの研究を行う予定である。
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