2007 Fiscal Year Annual Research Report
建物の制振効果を損なう種々要因の分析と解決法の提案
Project/Area Number |
19206058
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
笠井 和彦 Tokyo Institute of Technology, 応用セラミックス研究所, 教授 (10293060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
元結 正次郎 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (60272704)
坂田 弘安 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 准教授 (80205749)
大木 洋司 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教 (20323842)
石原 直 国土技術政策総合研究所, 建築研究部, 主任研究員 (50370747)
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Keywords | 鋼構造 / 柱梁接合部 / ガセットプレート / 鋼材ダンパー / 粘弾性ダンパー / スチフナ |
Research Abstract |
制振構造では、大地震時にダンパーに損傷を集中させるために主要構造部材(梁・柱・ガセットプレート)が充分な耐力や変形能力を有する設計を行うことが肝要である。しかし、スチフナ等による制振構造の接合部周辺の補強や梁断面の寸法制限などに関する統一的な設計方法は確立されておらず、個別に解析を行なうか、設計者の判断に委ねるところが大きい。そこで本研究では、実大の柱・梁からなる試験体9体を用いてパラメトリックな実験を行なうことにより、さまざまな接合部仕様が制振構造接合部の力学的挙動に及ぼす影響を検討した。また、得られた知見から日本建築学会鋼構造接合部設計指針における設計法の問題点を抽出し、制振構造におけるガセットプレートの設計方法の提案を行った。スラブ付き合成梁を含んだ架構の実験は平成20年度に行う。実験結果より、ダンパーの種類(鋼材ダンパーと粘弾性ダンパー)の違いが主架構に及ぼす影響(歪分布など)はそれほど顕著でないこと、梁の幅厚比の違いが耐力の低下と疲労寿命(層間変形角1/33、定振幅載荷)に大きく影響すること、梁やガセットプレートに取り付けたスチフナがガセットプレートの垂直ハンチ部材としての効果を高める一方、局部的な応力(歪)の集中を生じることが明らかとなった。さらに実験結果からガセットプレート周辺の応力状態を設定し、ミーゼスの降伏条件式を基本としたガセットプレートの設計式を得ることができた。
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Research Products
(4 results)