2009 Fiscal Year Annual Research Report
分散型ハイブリッド実験の高度化による大規模構造物地震応答再現手法の開発
Project/Area Number |
19206060
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中島 正愛 Kyoto University, 防災研究所, 教授 (00207771)
|
Keywords | ハイブリッド構造実験 / サブストラクチャ法 / 分散型実験 / 汎用有限要素法 / 崩壊 / 免震建物 / セルフセンタリング機構 |
Research Abstract |
耐震工学研究において、大型構造実験への要求はますます高まっているが、初期投資・運営経費等においてそれを実現できる施設は極めて限られている。これら問題への処方箋として「分散型ハイブリッド構造実験法」と称する新しい耐震構造実験手法を、オンライン応答実験法を基盤とし、複数の実験と複数の汎用有限要素法解析コードを併用することを射程として開発する。 本研究は3年間で所定の成果を挙げることを目標に、<フェーズ1:分散型ハイブリッド構造実験システムの構築と試運転>、<フェーズ2:分散型ハイブリッド構造実験システムを用いた地震応答再現試験>、2フェーズ9課題からなる研究計画を立案した。 最終年度である本年度では、過去2年間の成果も踏まえ、設定した研究計画の成就を図った。本研究の最終成果の一つと位置づく、フェーズ2におけるRC建築物-鉄塔連成系の極限応答評価実験を、先に開発した「各部分秘匿性保持を確保できる運動方程式解法」を用い、2種類の全く異なる汎用解析プログラムと構造実験を併用して実施した。またこの実験では、コーディネーターと称する管理プログラムを実験システムの中心に据えることから、複数の汎用解析コードと実験それぞれから得られるデータのスムーズな共有と伝達の確保を可能にした。また本研究での「入手が容易な載荷・計測装置の活用」、「汎用解析コードの利用」、「部分の秘匿性(Encapsulation)保持」、「標準的なインターネット環境を用いたデータ交換」を再整理し、その有効性と適用限界を明らかにした。また本実験の実施によって期待できる多くの人材の同時結集効果についても分析を加えた。
|
-
-
[Journal Article] Investigation of the sliding behavior between steel and mortar for seismic applications in structures2009
Author(s)
McCormick, J., Nagae, T., Ikenaga, M., Zhang, P.C., Katsuo, M.,
-
Journal Title
Journal of Earthquake Engineering & Structural Dynamics 38
Pages: 1401-1419