2008 Fiscal Year Annual Research Report
ジャワ島中部地震被災地における居住地環境の復興に関する総合的研究
Project/Area Number |
19206065
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
重村 力 Kobe University, 工学研究科, 教授 (30116214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩崎 賢明 神戸大学, 工学研究科, 教授 (20127369)
飯塚 敦 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (40184361)
藤谷 秀雄 神戸大学, 工学研究科, 教授 (10344011)
浅井 保 神戸大学, 工学研究科, 助教 (70311777)
難波 尚 神戸大学, 工学研究科, 准教授 (30314503)
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Keywords | 地震 / 復興 / 減災 / 住環境 / 農村計画 / 都市計画 / インドネシア / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
本研究では、主にガジャマダ大学と神戸大学の共同研究により、ジャワ島中部地震被災地の復興過程に参与しながらその課題について研究し、その解決を学術的及び実践的に研究した。実践過程では、両国の職人の参加をも得て、適切で実現可能な方法を研究すると共に、成果の技術的定着をも図り、以下の成果を得ている。1)GISによる復興過程の情報の統合・図化とさまざまな情報共有の基盤の作成。2)典型的な集落の被災・復興過程における、既存民家の復興再建状況、復興支援のかたちと集落の互助機能、共同空間の再構築過程の解析。3)被災にともなう人的災害の実態と建築環境との関係の解明。4)激甚な被災地の地盤状況の調査。5)現地で復興住宅として奨励されている枠組み壁組積造Confined Masonryの妥当性に関するシミュレーションの実施とその有効性と限定条件の明示。6)伝統的歴史的民家様式のPendopoの構造に関して、外観、木造架構の美しさを保持しながら耐震性能をもたす方法の検討。粘弾性ダンパーと摩擦ダンパーとを組み合わせ、制震性能を持たすことについての、実験的に適切な解決策の獲得。7)竹造と土壁(漆喰壁)を組み合わせることによる、軽量強靱で気候的に調和しエコロジカルな住宅工法の開発。両国での実験家屋の設計建設の職人参加による実現。ことにインドネシアでは安価で土俗的なイメージが定着している竹造の新しい表現と可能性の提示。8)震災を通じての住宅復興のシナリオの解析。極小住宅から建設し徐々に増築を進めるコア住宅の、コミュニティと環境の持続の観点からの評価。また唯一集団移転をしたンレペンの集落にアメリカNGOの寄付により建てられたドーム型住宅が増築改築により、環境的文化的に被災地の環境に適応してゆく過程の解析。 以上本研究は、ゴトンロヨン(互助共助)を旗印に、ポクマスという復興社会単位を設定しながら進んだ復興に対して、この復興の政策決定や意志決定に関わる重要な支援団体と協力しつつ、学術的知見を提供しながら研究を進めた。そのため復興過程の大きな道筋を明らかにしつつ、有効な技術開発支援においても一定の役割を果たすことができた。
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Research Products
(16 results)