2007 Fiscal Year Annual Research Report
サブミリ波エリプソメトリによる誘電体のフォノン解析と計算結晶化学
Project/Area Number |
19206068
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
鶴見 敬章 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 教授 (70188647)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
掛本 博文 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (10334509)
張替 貴聖 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 東京工業大学特別研究員 (90401546)
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Keywords | 誘電スペクトル / 強誘電体 / 分極 / ペロブスカイト化合物 / 人工超格子 / 誘電率 |
Research Abstract |
ペロブスカイト型誘電体・強誘電体の誘電物性をその結晶構造からフォノン解析を介して理解するため、本研究では、GHz領域での誘電物性測定技術とサブミリ波分光エリプソメータの開発、これらを用いた超広帯域誘電スペクトルの測定を行うことを目的としている。エリプソメータに関しては、ハード部分の開発をデータ解析用ソフトもほぼ整備した。標準試料としてSrTiO_3単結晶について測定を行い、従来法とほぼ一致する結果を得た。今後は、エリプソメータでしか測定できない薄膜試料についての検討を行う。また、BaTiO_3のドメイン構造による誘電特性の変化を明らかにするため、粒径を連続的に変化したBaTiO_3セラミックスを作製した。透過型電子顕微鏡観察の結果、ドメイン壁の密度が粒径の減少にともない増加することを確認した。これらセラミックスの誘電率を測定したところ、粒径の最も小さい試料で比誘電率7,700という純粋なBaTiO_3としては、これまでで最も高い値が得られた。また、広帯域誘電スペクトルを測定した結果、高い誘電率はドメインによる双極子分極の増加が原因であることが明らかとなった。一方、人工超格子に関しては、BaTiO_3-SrTiO_3系人工超格子の誘電率の温度依存性を測定し、超格子の示す巨大な誘電率が温度に依存せず、比較的広い-50-150℃という温度範囲で得られることを明らかにした。
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Research Products
(8 results)