2008 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー誘起原子加熱法の構築と機能性単結晶パターニング
Project/Area Number |
19206069
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
小松 高行 Nagaoka University of Technology, 工学部, 教授 (60143822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本間 剛 長岡技術科学大学, 工学部, 助教 (70447647)
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Keywords | レーザー照射 / ガラス / 結晶化 / 機能性結晶 / 単結晶ライン / 化学エッチング / フッ化物結晶 / 強弾性結晶 |
Research Abstract |
本研究は、我々が開発したガラス表面の位置選択的結晶化法、すなわちレーザー誘起原子加熱法(希土類原子加熱法と遷移金属原子加熱法)を様々な機能を有する単結晶パターニング形成に展開し、一般的、汎用的技術として確立、構築すると共に、機能性材料創製に新たなブレイクスルーをもたらすことを目的とする。本年度得られた結果を以下に示す。 ○光非線形性/強誘電性/強弾性β'-RE_2(MoO_4)_3結晶(RE:希土類)を生成する新規ガラスを開発し、レーザーによる結晶パターニングが可能であることを実証した。特に、次の2つの特異な結晶化が起こることを明らかにし、その機構を強弾性による自発ひずみと関連させた。(1)Gd_2O_3-MoO_3-B_2O_3系ガラスを電気炉での熱処理によって結晶化させる場合、電気炉内で結晶化の進行と共に、微粉化することを見出した(自己微粉化現象と命名)。(2)自己微粉化粒子およびβ'-(Sm,Gd)_2(MoO_4)_3結晶ライン、いずれにおいても周期的ドメイン構造が出現していることを見出し、マイクロラマン散乱スペクトルや第二高調波強度もドメイン構造に従って周期的に変化することを明らかにした。周期構造出現のモデルを提案した。 ○酸フッ化物ガラスにレーザー誘起結晶化法を適用し、CaF_2のナノ結晶(粒径:〜20nm)から成る結晶ラインのパターニングに成功した。Er^<3+>やYb^<3+>がフッ化物ナノ結晶中に固溶し、非常に強い可視域での蛍光を示すことを明らかにし、蛍光強度の二次元マッピングや化学エッチングによる蛍光強度の変化により、レーザー照射領域での構造変化モデルを提案した。 ○ZnO単結晶ラインパターニングのためのZnOを多量に含むZnO-B_2O_3系ガラスを作製し、屈折率等の基本物性を明らかにした。電気炉での結晶化では、残念ながらZnO結晶は生成せず、さらなるガラス組成デザインを検討した。
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