2008 Fiscal Year Annual Research Report
チタン酸バリウムナノ結晶のエピタキシャル結合現象を用いた単結晶ピラーの合成と特性
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19206070
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
桑原 誠 Kyushu University, 大学院・総合理工学研究院, 教授 (40039136)
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Keywords | チタン酸バリウム / ナノ結晶 / エピタキシャル結合 / 強誘電体 / メソクリスタル / ソルボサーマル / ゾルーゲル / ペロブスカイト化合物 |
Research Abstract |
昨年度の研究において、Ba(OH)_2、Ca(OH)_2、Ti(O^iC_3H_7)_4を用いた水熱処理により、BaTiO_3及びCaTiO_3ナノ結晶粒子がエピタキシャル結合した凝集体の形成を初めて見出した。そこで、本年度は電気泳動堆積(EPD)法により、(001)Nb-SrTiO_3導電性単結晶及びPt/Ti/Si単結晶基板上に10nm-BaTiO_3ナノ結晶粒子膜を堆積させ、その粒子膜の大気中焼成及び水熱処理によりエピタキシャル薄膜およびピラーを得る手法についての研究を行い、以下の成果を得た。 1)10nm-BaTiO_3ナノ結晶のエタノールサスペンションを用いたEPD(5-100V)により、(001)Nb-SrTiO_3単結晶及びPt/Ti/Si単結晶基板上に厚さ100-800nmのBaTiO_3ナノ結晶粒子膜を形成後、大気中800℃以下の温度で熱処理し、XRD(θ-2θ、ポールフィギュア),ラマン測定により膜構成結晶粒子の配向性を評価した。その結果、SrTiO_3単結晶基板上では600℃以下の温度でエピタキシャル粒子膜が得られることを確認した。(Pt/Ti/Si単結晶基板上ではいずれの温度でも無配向薄膜が得られた。) 2)(001)SrTiO_3単結晶基板上に10nm-BaTiO_3ナノ結晶粒子のEPD膜(厚さ100nm)を形成した後、KOH-C_2H_5OH溶液中、150℃で熱処理し、紫外ラマン測定により膜構成結晶粒子の配向性を評価した。その結果、厳密な定量評価は未了であるが、KOHの濃度が1-5Nの範囲でBaTiO_3ナノ結晶が粒成長し、エピタキシャル粒子膜が形成されることを初めて見出した。 3)SrTiO_3単結晶基板上にホトレジスト鋳型を形成し、EPDにより10nm-BaTiO_3ナノ結晶粒子のパターンを形成する手法の確立を行い、良好な結果が得られた。(本実験の結果は未公表であるが、ピラー形成に関するこれまでの成果からエピタキシャル粒子ピラー形成の技術的問題は解決された。)
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