2010 Fiscal Year Annual Research Report
長周期型マグネシウム合金に関する材料科学の深化と応用
Project/Area Number |
19206075
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
河村 能人 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (30250814)
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Keywords | マグネシウム / 展伸材 / 長周期積層構造 / 押出加工 / 機械的特性 / 鋳造 / 凝固 |
Research Abstract |
1)長周期積層構造型マグネシウム合金の組織制御:鋳造時に長周期積層構造相が晶出するMg-Zn-Y合金と高温熱処理より長周期積層構造相が析出してくるMg-Zn-Gd合金をモデル合金として、室温および高温力学特性と組織形成に及ぼす押出加工度(相当ひずみ)、押出加工速度(材料流動速度)の影響を明らかにした。高温特性は、押出時における相当歪みと材料流動速度に大きく依存するが、初期結晶粒中に溶質元素濃化型積層欠陥やプレート状長周期積層構造相を多く含むMg-Zn-Gd合金は、材料流動速度の上昇に伴う高温強度の低下がMg-Zn-Y合金に比べ小さいことがわかった。 2)長周期積層構造の形成メカニズム解明:Mg-Al-Gd合金系において18R型長周期積層構造相が形成することを確認し、より詳細な構造解析を行なったところ、Gdの濃化層は、4原子層にわたることが明らかとなった。新たな合金系の発見に伴い、長周期積層構造相を形成する元素のクライテリアの拡張を行なった。 3)長周期積層構造相の特性解明:長周期積層構造相微小単結晶材を用いて引張特性を調査し、底面すべりのCRSSを約13MPaと見積もった。 4)長周期積層構造型高性能マグネシウム合金の材料創製:強度、延性、クリープ特性、耐食性を兼ね備える長周期積層構造型Mg合金として、耐食性を改善するAlとクリープ特性を改善するLaをMg-Zn-Y合金に複合添加したMg-Zn-Y-Al-La合金押出材を開発した。
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Research Products
(64 results)