2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19206079
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大坂 武男 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (80152099)
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Keywords | 電解析出法 / 金属ナノ微粒子 / 電極触媒 / 酸素還元 / マンガン酸化物 / 酸素生成 / ナノサイエンス / ナノテクノロジー |
Research Abstract |
本研究は、金属ナノ微粒子の“extra-ordinary electrocatalysis"の本質を解明する糸口として、金属ナノ微粒子のサイズ、結晶面、モルフォロジーなどが電極触媒能や電極反応機構にどのように関連するかを明らかにすることを目的とし、次の成果を得た。 1.電解析出法により単結晶マンガン酸化物ナノ微粒子(γ-MnOOH)の作製に成功した。このγ-MnOOHと白金電極からなるγ-MnOOH/白金複合触媒がアルカリ水溶液中で酸素の4電子還元反応に対して白金に優る触媒能を有することを見出し、その反応機構を考察・提案した。 2.電解析出法で作製したマンガン酸化物ナノ微粒子(Nano-MnOx)/コバルトポルフィリン複合触媒が酸性水溶液中で酸素の還元反応に対して優れた触媒能(触媒未修飾電極に比較して0.45V正電位で酸素還元反応が起こる)を有することを見出した。我々が提唱してきたいわゆる“デュアル電極触媒"の概念がアルカリ水溶液中のみならず、酸性水溶液中においても適用できることを確証した。 3.電解析出法(この場合アンダーポテンシャル デポジション法)により作製したスズアドアトム/金複合電極が酸性水溶液中で酸素の4電子還元反応に対して電極触媒活性を示すことを見出した。これは金に接触したスズアドアトムと酸素分子との間で電子の軌道間相互作用が増加したことによると説明できた。 4.ヨウ化物イオン共存下で電解析出法により作製した金ナノ微粒子/炭素複合電極が、アノーディック・ストリッピングボルタンメトリー法を用いた砒素(3価イオン)の微量電気化学分析に対して高感度を示し、その有用性を明らかにした。 5.電析法で作製した金属被覆白金電極を、酸素雰囲気下で熱処理するとDSAタイプの金属酸化物被覆白金電極を与え、水素原子のスピルオーバー・逆スピルオーバー能を有することを明らかにした。
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