2008 Fiscal Year Annual Research Report
有機化合物結晶の多形発現情報のデータベース化および新たな多形の発現法
Project/Area Number |
19206082
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
松岡 正邦 Tokyo University of Agriculture and Technology, 大学院・共生科学技術研究院, 教授 (40016671)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
滝山 博志 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (40251582)
羽田 麻衣子 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 助教 (90365883)
|
Keywords | 結晶多形 / 多形の発現 / 多形の転移 / 転移速度 / XRD-DSC装置 / 多形のデータベース |
Research Abstract |
有機物結晶を中心とした多形および多形間の転移(多形転移)現象について文献調査と実験的な研究を行った。約500の物質に関する文献データを収集し、データベースの掲載項目と書式を決定しデータ入力を開始した。これについては近く公表予定で、今後も継続する。 新たに購入した雰囲気制御機能をもつXRD/DSC装置(リガク、UltimaIV)により多形を中心とした結晶構造の変化を測定した。医薬品であるテオフィリンおよび類似の分子構造をもつカフェインの結晶多形の固相転移について、水分の影響と添加物の作用を詳細に検討し、その成果を軽井沢で開催された分離技術国際会議および国内の学会で発表し、近くそれらをまとめて国際誌に投稿する予定である。遊星ボールミルを用いたグリシンの固相多形転移速度に関する研究結果をまとめ、オランダにて開催された晶析国際会議にて発表し国際的な学会誌に投稿中である。さらに、アミノ酸を中心とする化合物を対象とする多形発現を実験的に検討して新たな多形の発現を確認し、学会で報告した。さらに固相のメカノケミカル効果による結晶化現象の基礎としてハロゲン化アルカリ金属塩の2成分系の挙動を詳細に検討して、固溶体形成・置換反応の進行を解析し、化学工学会の英文誌に投稿し掲載決定となった。 新たなテーマであるデルフト工科大学の研究チームとの共同研究によるco-crystalの多形発現およびco-crystalの多形転移に関する研究成果は既にニコチンアミドやカルバマゼピンを含む系の実験を終了しており、近く公表すべく準備中である。
|