2009 Fiscal Year Annual Research Report
空気改質処理を組み込んだバイオマスの新パイロリティックガス化法
Project/Area Number |
19206083
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前 一廣 Kyoto University, 地球環境学堂, 教授 (70192325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 功 京都大学, 地球環境学堂, 助教 (20346092)
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Keywords | バイオマス / 前処理 / タール発生抑制 / 熱分解 / 空気酸化 |
Research Abstract |
本研究では、市町村単位でバイオマス資源活用を普及するための簡便かつトラブルフリーの転換法として、空気処理を基本とする前処理と熱分解を組み合わせた新パイロリティックガス化法を提案し、その有効性をバイオマス構造に立脚した反応工学的観点から明確にするとともに小型バイオマスガス化炉の開発を行うことを目的としている。本年度は最終年度にあたり、前処理/熱分解/ガス改質一体型小型ガス化炉のプロセススキームの開発に主眼をおいて研究を推進した。その結果、300℃空気処理したタールをバイオマスに混合し、TGAを用いて異なった混合割合の試料の熱分解挙動を検討し、熱分解重量変化曲線の結果より、低温タールは低温域で蒸発したため、後段のプロセスで容易に処理できると考えられた。また、ガス化炉の低温域で起こる空気雰囲気での熱履歴を想定して、空気処理したチャーを熱分解した際、タールがほとんど生成しないことを見出した。次に、二段階のタール分解を検討し、空気の影響で部分酸化反応が起こったため、二段目の温度が高くなるほど(600℃から900℃まで)ガス収率、特にCO2が増加した。これをさらに発展させて、ガス化炉下部の高温域での炭化物のチャーによる揮発分の二次的分解への影響を調べるため、バイオマスを340℃までの低温域で熱分解し、その揮発生成物を600℃以上の高温に保持した二段目の反応器に供給し改質を行い、その効果を検討した。二段目に予め900℃で熱分解したチャーを約600mg充填し、600℃においてタールの二次的分解の様子を検討したところ、COやCO2のガス収率が増加し、タール収率が減少した。以上をまとめ、空気処理と選択的なタール改質方法を組み合わせたプロセスを開発した。
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