2008 Fiscal Year Annual Research Report
省エネルギー型触媒反応プロセスとしての混合導電体メンブレンリアクター
Project/Area Number |
19206084
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
寺岡 靖剛 Kyushu University, 総合理工学研究院, 教授 (70163904)
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Keywords | 触媒・化学プロセス / 混合導電体 / メンブレンリアクター / セラミックス |
Research Abstract |
省エネルギー型物質分離機能を有する混合導電体膜をキーマテリアルとした物質の分離と変換を同時に行なうメンブレンリアクター(MBR)は、省エネルギー型の新しい触媒反応プロセスとして高いポテンシャルを有している。本研究では、膜材料、触媒材料並びに膜反応器の構築の観点から高度化を図り、それらを総合して混合導電体MBRの構築のための科学技術を確立することを目的とする。 メタン部分酸化(POM)用MBRでは作動温度の低温化を目指し、前年度に引き続き耐還元性と高い酸素透過能を併せ持つ(Ba_<0.3>Sr_<0.7>)_<0.98>Fe_<0.9>Ga,_<0.1>O_<3.δ>を膜材料として実験を行った。部分酸化触媒としてはNi系部分酸化触媒を用いた。その結果、ハイドロタルサイト型(HT)前駆体から得られたNi/Mg-Al-Oを用いた場合、固定床流通系では800℃以下の低温域で高活性を維持しているにもかかわらず、MBRに応用した場合は活性が大幅に低下することがわかった。メタン転化率の低下は膜の酸素透過速度低下の影響が大きいと考えられる。また、膜表面に塗布する触媒層の厚さを変化させても活性が変わらないことから、メタン部分酸化反応は膜の表面近傍で選択的に起こっている可能性が示唆された。 次に、プロトン導電体相と電子導電体相を有する混合導電体(異相混合導電体)膜を用いた、水素分圧差を駆動力とする水素分離についての検討を行った。前年度に引き続きプロトン導電体としてNafion、電子導電体としてNickelfoamを用いて調製条件の最適化についての検討を行った。その結果、水素-窒素混合ガスからの水素の選択的な透過が確認されたが、ヘリウムに関しても同様な透過が見られるため、電気化学的透過に関して今後さらに詳細な検討が必要である。
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