2008 Fiscal Year Annual Research Report
物性の人工制御による高難度タンパク質の新規生産・解析手段の開発と応用
Project/Area Number |
19206085
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山田 秀徳 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80037613)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二見 淳一郎 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (00420498)
妹尾 昌治 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90243493)
多田 宏子 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 准教授 (60271061)
小坂 恵 岡山大学, 自然生命科学研究支援センター, 助手 (00170233)
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Keywords | タンパク質 / 化学修飾 / 結晶化 / 格子工学 / 細胞内導入 / フォルディング / タンパク質工学 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
本研究は、従来の研究手法では取り扱いが難しい高難度タンパク質について、その新規生産法の開発や、機能解析・工学的応用に関する各種の基盤技術を開発することを目的としている。本年度は以下の研究項目について研究成果を得た。 (1) in cellフォルディング法の確立と人工タンパク質生産技術への応用 変性タンパク質のシステイン残基にジスルフィド結合を介して正電荷を導入する可逆的変性カチオン化法を最適化するため、1ヶ所のシステイン残基に+2および+3の正雷荷が導入可能な試薬を新規に合成し、その評価を行った。難溶性の変性タンパク質を材料として可逆的変性カチオン化処理と溶解度を測定したところ、これらの新規合成カチオン化試薬は従来のカチオン化試薬(1ヶ所のシステイン残基に+1の正電荷を導入)と比較して、極めて高い溶解性を付与できることが確認され、有用性の高さが証明された。 (2)正電荷の一過的な保護技術によるカチオン化タンパク質の物性制御 平成19年度に確立した20merのオリゴRNAを用いた正電荷の一過的な保護技術を、人工転写因子とレポーター遺伝子を組み合わせた評価系を活用して、定量的に評価した。その結果、本手法はカチオン化タンパク質の細胞内導入をほぼ完全に阻害することが可能であったが、ヌクレアーゼ処理により可逆的に導入効率を復活させる効率は20%程度に留まった。これらの解析結果から、リン酸イオンとアミノ基の強い会合力が考察され、正電荷保護技術の強弱が官能基の選択により調整可能なことが示唆された。 (3)結晶化タグを用いた結晶分子配向性制御 これまで分子表面の相互作用部位に2-3個の疎水性のロイシンを配置させた、結晶化のパッキングサイト(結晶化タグ)を創成したが、今年度は、3個の親水性のアミノ酸を用いた結晶化タグでも、難結晶化タンパク質を結晶化させる例を発見し、結晶分子配向性制御の戦略の一般性を証明した。
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Research Products
(8 results)