2008 Fiscal Year Annual Research Report
航空安全向上のためのパイロット操縦ヒューマンウェアの統合化に関する研究
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19206088
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 真二 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授 (30196828)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李家 賢一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20175037)
土屋 武司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 准教授 (50358462)
柄沢 研治 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (60134491)
手塚 亜聖 早稲田大学, 理工学術院, 講師 (50361506)
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Keywords | 航空宇宙工学 / 認知科学 / 安全 / 操縦分析 |
Research Abstract |
着陸操縦に関しては、平成19年度に整備した固定座席フライトシミュレーターを用いて本年度は横風に対する操縦分析を実施するとともに着陸時のフレアタイミングの分析を実施した。横風操縦に関しては水平線の傾斜、滑走路中心線のずれと傾きなどをビジュアルキューに加えることで横風に対応した操縦のニューラルネットワークモデルが構築可能になった。フレア操作に関しては、高度と高度変化の組み合わせが操作のタイミングに関連していることが明らかになった。換縦最適化に関しては、パイロットは航空機を操縦する際にそれぞれ固有の評価指標を持ち、それを最適化する操縦を行っている仮定のもと、パイロットの操縦特性の新しい解析法の研究を行った。パイロットの操縦履歴から最適制御問題の評価関数を逆推定することとし、遺伝的プログラミングを用いてその実現を試みた。研究ではパイロット操縦に適用する前に、簡単な既知の問題に適用し、正解に近い評価関数の推定に成功した。エアラインパイロットのフライト・マネージメント能力評価に関しては、本年度は視界発生装置の整備を行うとともに、実際のフライトマネージメント環境を可能な限り模擬した上で着陸直前のウィンドシェア発生を模擬したフライトを行い、フライト中の各種判断や操縦動作・発話について記録を行い、パイロットの技量の差異が飛行中の判断にどのような影響を及ぼしたか検討を行った。また、PC上で模擬フライトツールを用いて、エアラインパイロットを被験者とした実験を行った。実験結果は、飛行経験が長いパイロットは羽田でHoldingを続ける傾向を示した。この結果は、先行して行われたフライトシミュレータによる実験と同様であった。また、質問紙を分析することで、羽田の天候に対し、着陸が可能か難しいかの判断の違いが結果として表れており、経験に応じた妥当なマネジメントが行われていることが明らかになった。さらに、PC模擬フライトツールの改良を行い、操作性を改善した。
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Research Products
(8 results)