2007 Fiscal Year Annual Research Report
高度リサイクルのためのオキシハロゲン化合物の物理化学データベースの確立
Project/Area Number |
19206097
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 崇 Tohoku University, 多元物質科学研究所, 教授 (20112360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴田 悦郎 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (70312650)
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Keywords | 廃棄物再資源化 / オキシハロゲン / 物理化学 / 熱力学 |
Research Abstract |
本研究の目的は、複合ハロゲン化酸化物の生成ならびに分解機構、さらには物理化学的特性を解明するものである。複合ハロゲン化酸化物は、一般ゴミならびに産業廃棄物の焼却・溶融処理から排出される燃え殻や飛灰中に含有されており、現在非灰処理の一部に導入された水浸出によるハロゲン除去後の重金属回収を妨害している。本年度は以下の研究を行った 【臭素系難燃剤の融解物性の測定】塩素のみならず、最近はプラスチックの難燃剤として大量の有機臭素系難燃剤が使用されていることから、廃棄物の焼却・溶融処理において分解生成する臭素も考慮する必要がある。まず、各種の臭素系難燃剤ならびにそれらの類縁化合物の物性値を確定することが基礎となるが、融解物性は重要な物性のひとつである。臭素系難燃剤ならびに類縁化合物(TBBPA、DecaBDE、22,4-DiBPh、 2,4,6-TrBPh、 PeBPh、 1,2,4-TrBBz、 1,2,4,5-TeBBz、 HxBBz、 HBCD)の融点ならびに融解エンタルピーを示差走査熱量計(DSC)を用いて測定した。【臭素系難燃剤の熱力学的安定性】密度汎関数法を用いて計算した臭素系難燃剤ならびに類縁化合物(TBBPA、 PBDEs、 HBCD、 PBPhs、 PBBzs)の比熱、エントロピー、標準生成エントロピーを用いて、それぞれの化合物ならびに異性体の熱力学的安定性を明らかにした。 【複合ハロゲン化酸化物の生成条件の確立】カルシウム系の複合ハロゲン化酸化物の作製実験の条件を確立するために、塩酸水溶液のHClの平衡分圧ならびに水蒸気圧を整理した。さらに既存の熱力学データを用いて、生成条件を探索し、具体的な作成実験の条件を確立した。
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Research Products
(6 results)