2009 Fiscal Year Annual Research Report
地層中におけるコロイド移行モデリング:ナノサイズ移行経路への展開
Project/Area Number |
19206101
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長崎 晋也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20240723)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 知 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (10114547)
斉藤 拓巳 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (90436543)
小田 卓司 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教 (40436556)
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Keywords | コロイド / 腐植物質 / 核種相互作用の粒径依存性 / 粒子間凝集 / 3元系相互作用モデル / 核種移行 |
Research Abstract |
高レベル放射性廃棄物の深地層処分に関して,地下水環境中に存在するコロイドが放射性核種の移行を遅延ないしは促進する効果が指摘されている.したがってコロイド移行の理解は性能評価上重要である.とくに本研究では、やわらかいコロイドの代表として腐植物質を取り上げてきた。原子力工学のみならず、環境化学など腐植物質を対象とする学術分野では、腐植物質の粒径は100nm程度であるとされ、その前提にたっての相互作用・移行モデルが構築されてきた。 本研究では、昨年度の研究から腐植物質は実は10nm程度のさらに小さい粒子を構成単位として、それらが粒子間相互作用力で凝集し、見掛け上100nm程度の粒径を有する微粒子となっていることを明らかにした。本年度は、腐植物質がこの構成単位の大きさで存在するときに、核種とどのような相互作用を起こすのか、その相互作用力は腐植物質の粒径とどのような関係にあるのか、さらにはその相互作用が粒子間凝集にどのような影響を及ぼすのかについて、実験的に検討を進め、精製したAldrioch製腐植物質については、比較的粒径の大きい腐植物質の方が小さい腐植物質よりも相互作用を起こしやすいこと、さらにはそのように相互作用を起こした比較的大きい粒径の腐植物質がさらに粒子間凝集にも関係していることを明らかとした。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Application of Parallel Factor Analysis for Time-Resolved Laser Fluorescence Spectroscopy : Implication for Metal Speciation Study2010
Author(s)
Saito, T., Sao, H., Ishida, K., Aoyagi, N., Kimura, T., Nagasaki, S., Tanaka, S.
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Journal Title
Environmental Science and Technology
Volume: 44
Pages: 5055-5060
Peer Reviewed