2008 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギーイオンビームの直描式微細加工による3Dナノ構造の創製
Project/Area Number |
19206105
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
神谷 富裕 Japan Atomic Energy Agency, 放射線高度利用施設部, 研究主幹 (70370385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 隆博 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 放射線高度利用施設部, 研究職 (10370404)
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Keywords | ナノデバイス / MEMS / イオンマイクロビーム / ナノ細線 / マスクレス露光 / SU-8レジスト / 高アスペクト比 |
Research Abstract |
将来の情報通信・医療技術の発展に不可欠なナノデバイス創製あるいはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の基盤技術として、核子当りMeV以上のエネルギーを持つ重イオンマイクロビームの高空間分解能、高LET(Linear Energy Transfer:単位長さあたりのエネルギー付与)、および長飛程の特長を活かしたレジスト材に対するナノ細線を含む3次元的なマスクレス露光を実現し、高エネルギーイオンビーム利用の新たな可能性を拓く研究開発を進めた。平成20年度から研究を効果的に推進するため計画通りポスドクを採用し、高アスペクトな3次元露光による中空構造(オーバーハング)を創出するための描画を実現する本格的な実験を開始した。3次元加工プロセスの実証では、昨年度導入した精密試料ステージの使用により、軽イオンマイクロビーム装置を用いて、エネルギーの異なるプロトンマイクロビームによる重ね合わせ描画の精度を向上させた。また2次電子イメージングの方法により1×1μm^2以下のサイズを確認したプロトンマイクロビームを用いて、高いアスペクト比、高い硬化強度等の特徴を持ち、マイクロ化学チップ等への応用が期待されているSU-8レジストを露光することにより、微細加工に最適なイオンビームの照射条件についての検証を進めた。一方、ナノ細線の製作・評価では、サイクロトロンの高エネルギー重イオン(460MeV-Xe)照射と15MeVNiイオンマイクロビーム照射露光の組み合わせにより、オーバーハングと基板間にナノ細線を張る予備的な実験を行い、電子顕微鏡によりナノ細線の観察を行った。
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