2009 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギーイオンビームの直描式微細加工による3Dナノ構造の創製
Project/Area Number |
19206105
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
神谷 富裕 Japan Atomic Energy Agency, 放射線高度利用施設部, 課長 (70370385)
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Keywords | ナノデバイス / MEMS / イオンマイクロビーム / ナノ細線 / マスクレス露光 / SU-8レジスト / 高アスペクト比 |
Research Abstract |
将来の情報通信・医療技術の発展に不可欠なナノデバイス創製あるいはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)の基盤技術として、核子当りMeV以上のエネルギーを持つ重イオンマイクロビームの高空間分解能、高LET(Linear Energy Transfer:単位長さあたりのエネルギー付与)、および長飛程の特長を活かしたレジスト材に対するナノ細線を含む3次元的なマスクレス露光を実現し、高エネルギーイオンビーム利用の新たな可能性を拓く研究開発を進めた。平成21年度は、3次元構造を創製するのに必要な異なったエネルギーのマイクロビーム描画を精度よく重ね合わせるため、ビーム走査と試料ステージ制御法を開発した。これにより高アスペクト比3次元加工の特色を活かし、円柱形の軸を中心とする独立した歯車構造の造形に成功した。また同様な方法で予め描画した試料を、高エネルギー重イオンマイクロビーム装置の試料ステージに設置することにより、既に描画されたパターンに正確に照準して260MeVNeイオンのシングルイオンを照射する技術を開発した。これまでのところ、同イオンではシングルイオンによりもたらされるLETが低いために、十分な架橋反応をレジストに導入することができず、生成したナノ細線は現像や観察の段階で流失したり破壊されたりする結果となっている。しかし、プロトンビームと同様に複数の集中した照射により円柱構造が形成される条件が見出された。これにより、1個の入射で十分なエネルギー付与が得られるイオン種を用いた照射により、目的とする世界初のナノ細線を含む三次元構造の創製に見通しが得られた。
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Research Products
(4 results)